9‐1

 コメントには「タヒぬべし」「妄想乙」「彼女いた人間がここに来るわけないだろ」「リア充だ~!!隠れろ~!!」とか散々なコメントだった。

「はい皆落ち着いて」


 彼方ちゃんの言葉でコメントが「はい」で埋め尽くされた。

 

「んん、彼女さんと喧嘩か、それは大変だね」

「原因はどっちにあるかはわからないけど、付き合ってるんだからよほどの事が無い限り仲直りできると思うよ」

「これは私の親友の話だけど、私の親友も元カレが勇気を出して声を掛けて険悪な雰囲気が和らいだみたいで、あと一歩でよりを戻せそうって言ってたよ」

「だから、まだ本当によりを戻したいなら早めにした方がいいよ」

「傷ってのはどんどん開いていくから、修復できるうちに修復しないとどんどんずるずると引きずって化膿して手遅れになって後悔しても遅いから早めにするといいよ」


 彼女のいう事はなんとなくわかる。

 手遅れになって修復できない傷もあるのだ。

 今回の件だってそうだ。

 僕と奏が何もしなければ、お互いに険悪なままだっただろう。

 お互いに一歩寄り添えばいいだけなのにだ。


「私からはそれだけ、皆はどう思う?」

「「すぐに行け」言い方かっこよ」

「ほら「頑張れ」って皆応援してる」

「大丈夫、振られたら私とリスナーが骨を拾ってやるから思いきってやってみて」

「私は君を応援してるよ」


 彼女の言葉に「おうよ!!」「骨は拾ってやる」「振られたら願人になろうぜ!!」

「応援してるよ」など、晴斗のお便りに温かい言葉が送られた。

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