第105話 市入祭
5月5日は子供の日。
この日、安芸高田市吉田町の吉田商店街一帯を彩る
戦国武将毛利元就は、居城とした
市入祭では、住民が引く壇尻屋台が神輿に続いて商店街を練り歩き、子供歌舞伎は清神社での奉納を含め、計8ヶ所で約20分程度披露されます。
全国でも珍しく、これまで地元町内会が2台出してきましたが、住民や世話人の高齢化で今年は1台になりました。
1973年発足の歌舞伎保存会によると、これまで中学1年生の有志が白装束姿の神輿行列、2年生が歌舞伎を担い、伝統を継承してきました。
しかし、新型コロナ禍で丸3年の空白が生じ、市入祭に関わった現生徒はいません。
そこで、今年は学年の枠を取り払い、各学年から一人づつとなりました。
演目は元就が3人の子息に説いた「三矢の
4年振りの復活とあって、娘家族も「市入祭」を楽しみにして4日から帰省していました。
ところが5日の朝、7時頃から小雨が降り始めあわや今日の「市入祭」は中止かと懸念していました。
予報でも雨となっていました。
今まで楽しみにしていたイベントなどで雨になったことのない超晴れ女の娘もついに今日で晴れ女の記録を破ることになるのか……と思っていました。
しかし、娘は「大丈夫!」と自信満々!
するとどうでしょう。
9時前から雨はすっかり上がり少しづつ晴れ間が見えてきました。
恐るべし晴れ女!
お蔭様で予定通り「市入祭」は決行となりました。
「市入祭」の会場に行ってみると4年振りということもあってか、近年の過去最高の人出ではないかと思われるほど賑わっていました。
活気に溢れる雰囲気に祭りの期待感も増してきました。
出店もズラリと並び、うどんや焼きそば等の飲み食い広場、新鮮野菜市、フリーマーケット、商工会青年部コーナー等、楽しいイベントが盛りだくさんで、あちらこちらで楽しむことができました。
そんな中、歌舞伎役者の生徒が化粧をしてそれぞれの役柄に扮した着物姿で壇尻屋台で登場。
元就が3人の息子に説いた「三矢の訓」にちなんだ演目を順次上演すると、見物者たちは情感豊かな口上や所作に大きな拍手や歓声が上がっていました。
久しぶりに見た立派な子供歌舞伎の披露に私達も満足しました。
そして会場でなんと長男家族(妻一人、高校3年生と1年生の息子二人、小学2年生の娘一人)にばったり出会いました。
「あら~、来てたの?」と久しぶりの再会に娘家族(夫一人、中学3年生の息子一人、小学5年生と3年生の娘二人)も喜んで、お互いの子供達を見て
「大きくなったねぇ、何年生?身長は何センチ?」など、話が盛り上がりました。
高校生になった二人が一緒に来ていることが嬉しくて、たまたま居合わせた娘の同級生の方にお願いして、長男家族と娘家族と私とで写真も撮ってもらいました。
こうして私達は、4年ぶりの「市入祭」を堪能したあと、会場をあとにしました。
・
〈郡山懐古 三矢の訓 ~清神社 出会いの場~〉
敵から逃れて隠れ住む、毛利の姫 清姫とその従者である若武者 隆の助が、清姫の兄 就元と再会し、三矢の
・清神社と市入祭
~子供歌舞伎との関係~
戦国時代の武将・毛利元就公は
吉田の市入祭で、年に一度、神社の御祭神が氏子地区にお渡りする神輿の御幸が行われます。
この神輿に供奉するのが壇尻屋台です。
八雲山と千歳山の二台の屋台と、吉田子供歌舞伎壇尻屋台保存会によって現在まで受け継がれています。
近況ノートに画像あります。
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