第86話 バレンタインの思い出 おまけだよ(#^^#)
さて、定年を迎え盛大に送別会をして頂いた私ですが、今年になって「パートに来てもらえませんか?」と声をかけて頂き、なんと五年振りに、再びこの職場でパートで働くことになりました。
そこで私が嬉しかったことがあります。
この職場は、知的障害者施設なので、シフト制(日勤、早出、遅出、夜勤)になっている為、毎日職員の顔ぶれが一緒とは限りません。
パートを始めて二日目の時のことです。
若い男性職員が、私の姿を認めるとすぐに
「〇〇さん、お久しぶりです」と明るく声をかけてくれました。
一瞬、私は誰だったっけ?と思いました。
するとすぐに
「僕、△△です。〇〇さんが辞める時にくれたメッセージカード、嬉しかったのでまだ持ってます」と言うではありませんか。
話しかけられながら、記憶が蘇ってきました。
彼は私が定年で辞める一ヶ月くらい前に入って来た新人職員でした。
だから彼と一緒に仕事をしたのは、ほんの一ヶ月だったんです。
それなのに、私が送別会の時に渡したメッセージカードを五年経った今でも持っているというのです。
驚きました。
彼女からもらったメッセージカードなら取っておくのも頷けます。
しかし、一ヶ月位しか関わったことがない親子以上に離れたおばさんからもらったメッセージカードを持っていてくれるなんて……。
内容は覚えていないけど、私はその時、一人一人の職員を思い浮かべながら、その人に向けてのメッセージを考えながら心を込めて書いた記憶はあります。
多分、彼は職場に入ったばかりだったので、慣れるまで大変でしょうが、△△くんの明るい性格を生かして頑張って下さいみたいなことを書いたのかなと思いました。
小さな紙に書いたメッセージなので、大した文面ではなかったと思います。
彼のその言葉を聞いて私はなんだか温かな気持ちになりました。
その後、彼が
「実は僕、今度異動になってここにいるのも明日までなんです」と言います。
私は、「えぇっ!うそぉ、せっかく再会できたのに」と残念でなりませんでした。
この会社は、障害を持っていても就労できる利用者さんが働く工場もあり、その支援をする職員の異動があるのです。
だから彼と会えたのはこの日だけだったのです。
翌日は私はパートの日ではなかったからです。
次にパートで来た時はすでに彼は、異動された後で会うことはなくなったのです。
たった一日だけ、会えてこの話しを聞けたのです。
だから、彼とは定年退職する前の一ヶ月と、パートで再就職した一日だけ会っただけ。
だけど、私に心温まる感動を与えてくれました。
五年ぶりの職場復帰で不安だった心がポッと明るくなり背中を押してもらった気がします。
この五年の間に、異動や退職などで、職員はあの時の半分以上は変わっていましたが、相変わらず職場の雰囲気はあたたかくて、お陰様で、今私は楽しく働かせて頂いています。
*もひとつおまけ。
送別会の時に「お姫様抱っこ」をしてくれた愛しの彼(?)は、今は結婚してパパになっていました( ´艸`) 幸せそうでこれもまた嬉しい出来事でした♡
久しぶりにチョコレートケーキ作ってみました。
近況ノートに画像あります。
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