第68話 アルバイト ①

 私が生まれて初めてバイトを経験したのは高校1年の夏休みでした。

地元にあった缶詰工場で朝八時から夕方五時まで社員さんと同じ様に働きました。


 そこはフルーツの缶詰工場で、私が担当したのはミカンの缶詰です。

今の工場はどうなっているのかは分かりませんが、私が高校の頃はすべて手作業でした。


 私が配属されたのは、レーンから湯通ししたミカンが水で流されてきて、それの皮むきを朝から夕方までひたすらするのです。

多分、別の場所で大きさや良い物悪い物はあらかじめ選別してあったんだと思います。

頭には髪の毛が落ちないようにキャップを被りマスクをして薄い手袋をして中のミカンを傷つけないようにむき、剥いだ皮を入れる容器に皮は入れていき、中身は別のレーンに入れると、次の工程に流れていくようになっていました。

ただ皮をむくだけなので初日からすぐに出来るんですが、単純作業で同じ場所に立ちっぱなしなので、その体勢に慣れるまでは身体がきつかったのを覚えています。

しかも、時間が経たない。

途中休憩も無く(トイレに行くことは出来る)お昼時間までの長いこと、長いこと。

時計を何度も見て「はぁ~(*´Д`)まだか」とため息をついてました。

だから必ず一回はトイレには行ってました( ´艸`)

気分転換に(*´σー`)エヘヘ


 周りはパートのおばちゃんばかりで「ゆっくりでええけえね」と言って下さるのですが、おばちゃんたちの皮むきの早いこと早いこと、最初はそのスピードに感心していました。

 連日皮むきが殆んどでしたが、たまに缶詰の缶の中に、最終的に詰める作業の時もありました。

選別されて実をバラバラにした一缶分の量が流されてきて、それを捕らえて缶の中に手で入れていきます。

これは一人でやるのでかなり忙しいんです。

しかし、その分時間が経つのが早く感じて、あっという間にお昼になってました。

だから私は忙しくてもこの作業の方が好きでした。

朝、工場に行くと主任から「今日は〇〇の作業をお願いします」とその日の仕事場を振り分けられます。

缶詰めの缶に入れる作業の時は、「やった~!」と思ってました。


 日曜日とお盆の何日かは休みでしたが、それ以外は毎日行ってました。

このバイト中の楽しみは、何と言ってもお昼休憩です。

仲良しの友達と二人でバイトをしてたので、ホッと一息つきながら、食堂のテレビを見たり、おしゃべりをしたりして過ごしました。

又、お昼には手作りのお味噌汁のサービスがあり、このお味噌汁がとっても美味しかったのです😋

大きなお鍋に具だくさんのお味噌汁がたっぷり作ってあって、お代わりも自由でした。

あの味噌汁の味は、今でも懐かしく思い出すことがあり、もう一度食べてみたいなぁって思います。




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