第38話 秋祭りの準備
秋祭りは、秋に行われる祭りの総称で、農村地帯において収穫を感謝する祭りです。
私の小さい頃は、母が毎年、押し寿司や煮しめなど作っていました。
親戚中が集まって、お酒を飲んで賑やかでした。
また、子供達が集まって神輿を担いで練り歩いていました。
お宮(神社をそう呼んでいる)では、太鼓の音が響いていました。
それがいつ頃からか、すっかり寂れてしまいました。
私が実家に住むようになった頃は親戚も集まらずひっそりとしたものです。
以前は10月10日が「体育の日」で祭日だったので、この日がわが地区では秋祭りの日と決まっていました。
ところが、2020年から「スポーツの日」と名称が変更され10月の第2月曜日に改正されました。
これに伴って、わが地区では10月の第2日曜日が秋祭りの日に変更になりました。
そんな訳で10月2日(日)は、10月9日(日)に行われる秋祭りの準備をするため、講中(近隣組織の事)が、地区にあるお宮に午前8時から集まりました。
田舎で過疎化が進み、わが地区の講中は、もともとは15軒はあったのですが今や8軒になり、しかも高齢化も進んでおり、子供も若者もいません。
そんな中、講中の行事を維持していくのも困難になってきています。
今のところは少ない人数で何とか維持しているのが現状です。
私が講中の行事に参加するようになったのは、両親が出来なくなった6~7年前からです。
神社内の草刈り、お
毎回、私は神棚の掃除や、草刈り機で刈った後の草を集めたりしていたのですが、今回初めて、しめ縄作りをやることになりました。
しめ縄作りのベテランさんが相次いで亡くなってしまった為です。
三人で縄を編んでいきます。
四人で初めての試みです。そのうち一人が経験者です。
まず、大きめに束ねた藁の端から15㎝くらいの所をしっかり括って三つに分けて、三人がそれぞれ持って右回りにねじっていきます。それを三つ編みの要領で左巻きに編んでいきます。逆にするのは解けないためです。編んでいくうちに藁が足りなくなるので、藁の中に新しい藁を真ん中を割ってうまく混ぜ込みながら編んでいくのですが、これが慣れるまでは、藁がバラけてうまくいきません。
私ともう一人は、経験者(といっても三年目のまだ新米さん)の人に教えてもらいながら、半ば手探り状態で藁を編んでいきました。
悪戦苦闘しながら、不格好ながらもなんとか仕上がりました。
出来上がり、鳥居に飾った時は達成感があり嬉しかったです。
最後に、全員で祭り用ののぼりを立てていきました。
白いのぼりを2本、青いのぼりを2本それぞれ立てました。
あとは、祭りの前夜、当日、祭りのための買い物の当番を決めて準備は完了です。
午前10時位には終わり、ホッとしました。
近況ノートに鳥居に飾ったしめ飾りの写真があります。
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