GIRL'S SIDE 3

最後の日。最期の日。私は大輝くんに、私の思っている事全てをぶちまけたくなった。


「ね、大輝くんに教えたい所があるの。」


そう言って、放課後、大輝くんを屋上に連れ出した。


色々な事を言った。色々な、本音を。だけど、

"隠し事"は見破られないように。



「私はね、夢を見過ぎていたんだよ」



「私は輝きたかった。」



「"ああ、この世界は泣きたくなるくらいに残酷でキラキラしているんだな"」



「大輝くんは光の世界へ行ってね。」



突拍子もない事を言って、謝った私に、大輝くんは、


「大丈夫だよ。話して楽になれるなら。なんかあったら、またこうやって話をして。」


って、言ってくれた。優しいな。大輝くんは。まあ、私には明日がないから、"また" は無いと思うけど。


一言二言話して、それから、いつもの空気になって、二人並んで、家に帰る。


家に帰って、静かに消えるつもりだった。


帰り道、大輝くんが突然、私の手を取ろうとした。完全に油断してた。


大輝くんの手は、私の手をすり抜けた


空気が固まった。


なんとかしないと。って思って、同時にもう隠せないんだな。って悟った。


「バレちゃったか〜最期くらい明るく終わりたかったんだけど。ごめんね。私、もう、死んじゃってるんだ。」


出来るだけ明るく言って、空気を軽くした後に、今までの嘘と真実の答え合わせ。それから、嘘をついた事を謝った。


「もう少しで私は消えちゃう。大輝くんに気づかれなければ今頃自分の部屋でひっそりと消えていたんだけど、もう、そうもいかないね」


言い終わった頃、自分の体が浮いた気がした。


ああ、大輝くんのこと、最後に困らせちゃったな。


ごめんね。私の事、忘れてもいいから幸せになってね。


「そろそろ、消えちゃうみたい。ねえ大輝くん。私がいなくなっても、ちゃんと生きてね。お願い。約束。じゃあ、バイバイ。」


言い終わって、意識が遠のいた。


♢♦︎♢♦︎♢


今日も私は、いわゆる空の上から、大輝くんを見ている。


夜になると、もう生きてる人には見えないけれど、下に降りることができる。


だから、寝ている大輝くんの耳元で囁く。


「おやすみ。だいすきだよ。」















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この世界は泣きたくなるくらい輝いている 苺の子 @nanamai0628

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