GIRL'S SIDE 2

ショッピングモールに行った日の何日か後。

私は...


「あー無理。もう出来ない」


放課後、居残りで課題をやっていた....


「頑張れ〜」

「むぅ〜」


大輝くんは炭酸飲料を飲みながら興味無いような声色で喝を入れる。

それでも一緒に居てくれるから、大輝くんはやっぱり優しい。


ようやく終わって、課題提出と先生からのお小言をもらって、帰ろうとする。


「じゃあ、帰るとするか。」


大輝くんがそう言う。


パシッ

「待って!」


なんだか、大輝くんがすごく遠くにいる気がして、思わず大輝くんの手を掴んだ。


「え?」

「えっっと....」


どうしよう...大輝くん...すごくびっくりしてる...でも..なんか...今しかない気がして、


「大輝くんのこと好きです。」


「えっ」


「最初はそんな事なかったんだよ?小学生からの友達で、すごく話しやすくてノリも合って趣味合って、でも去年同じクラスだったくるみちゃんにね?『大輝くんと付き合ってるの?恋人同士なの?』って聞かれてその時は違うよって言ったけど...その....段々と意識してしまいまして...」


段々言い淀む。顔がものすごく熱い。こんな事、大輝くん困るよね...言っちゃってからなんだって話だけど、消えちゃうタイムリミットも近いし.....


色々考えていると、大輝くんが口を開いた。


「明日、返事してもいい?」

「...うん。」


もう言ってしまった事だから、受け止めるしか無い。そう思った。


「明日は朝から小テストか〜勉強した〜?私してないや〜。」


「今度発売するフラペチーノ美味しそうだよね〜飲みたいな〜」


その後は、出来るだけ気まずくならないように、明るくいられるように、がんばった。


♢♦︎♢♦︎♢


次の日

「おはよー!」

「おはよう。あのさ、」


「ねね、昨日のTV見た〜?」


自分から言ったのに、すぐに答えを聞く事が怖くて、話を逸らした。


「あの、昨日のことだけど」


でも、少し強引に戻された。覚悟を決める。


「僕は、君のことが好きだ。」


嬉しくて、言葉が出なかった。同時に恥ずかしくて、大輝くんの顔を見られなくなった。


「嬉しい。良かった。ありがとう。....」


会話が途切れた。どうしよう。なんか言わないと..


「付き合うって言っても、何をすればいいのかわからないよね〜多分私達はいつも通りになりそう。」


「まあ、いいんじゃない?いつも通りで。それが僕達だよ」


咄嗟に出た言葉だったけど、その言葉が嬉しくて、私は思わず両手を広げて、大輝くんに抱きつく。


しばらくして、1つ。気づく。

「あっ...時間..学校遅れちゃう..」


「....あっ...」

大輝くんも忘れていたみたい。


「じゃあそろそろ行こうか」


ようやく私達は体を離す。


そして、私達はどちらからともなく横に並んで学校へ向かう通学路を歩き始めた。


♢♦︎♢♦︎♢


約束の時間が、迫ってきた。


「私ね、あと1年で死んじゃうんだって。」


「ねぇ大輝くん、生きたいよ....不安なの...すごく...もう...今度こそ...朝起きたら息ができないんじゃないかって....」


私が突然消えても違和感のないように、私はまた1つ、大輝くんに嘘をつく。


「あー先生になりたかったな〜」


この言葉は本当。本当になりたかったな....














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