第4話 ステータス

 しばらく歩くとサクラは4階建ての建物に入る。ついて入るとそこは酒場のようだった。

 サクラはカウンター席まで行くと店員に声を掛けた。


「私の隣の部屋ってまだ空いてる?私が支払うから、この子を泊めて欲しいのだけど」

「サクラさんの連れの方ですか?大丈夫ですよ。追加料金は銀貨なら1枚、銅貨なら10枚です」

「はい、銀貨1枚ね」

「確かに。では、これが部屋の鍵です」

「ありがとう」


 サクラは鍵を受けとると階段に向かう。

 どうやら一階が食堂で二階から上が宿屋のようだ。

 三階の一室に到着すると鍵を開け中に入る。そこでサクラから鍵を渡される。


「ここがしばらく、マシロの部屋です。左上隣の角部屋が私の部屋ですから、何かあれば来て下さい」

「何から何まで、すまない」

「私があなたを拾ったのだから、ある程度安定するまで、面倒をみますよ。と言っても四日後にはこの宿は出ますけどね」


 そう言うものなのだろうか?なんとなくサクラが面倒見がいいだけな気がするけど。それと四日後に何かあるんだろうか?


「さてと、改めてマシロのステータスを確認しましょう。一応言っておきますが、ステータスは基本他人に公開しないように」

「了解……だけど、何で?」

「手の内は隠しておくものです。他人に公開出来るようになっているのは、ギルドランクがアップする時に問題がない事、ランク相応の力が備わっているかを確認するためです」


 サクラの話によると、ギルドランクはS級〉A級〉B級〉C級〉D級となっており、駆け出しがDランク、初級者がCランク、中堅者がBランク、上級者がAランク、特級がSランク。DからCへのランクアップは、数回依頼を受けて成功すればアップするため早いが、それ以降は実力と実績が大きく関係するためなかなか難しいらしい。ちなみにS級は現在は存在していないそうだ。と言うか過去にも存在していないそうだ。S級の最低条件は、神様の試練で生き残り称号を得ることらしい。称号の獲得条件はまちまちで生き残っても得られないことが大半だそうだ。試練の内容に興味があったが、それよりステータス確認という事で、試練の内容はそれ以上は教えては貰えなかった。

 ちなみに、サクラはBランクの中堅冒険者らしい。


「へぇ……それじゃあ」


 サクラの説明に納得し、カードを手にしてステータスオープンと唱える。

 えぇっと……


マシロ

 アビリティ

 力:D

 耐久:C

 器用:B

 敏捷:C

 魔力:SSS


 スキル

 回復魔法、補助魔法、全耐性、空間収納アイテムボックス


 称号

 ******


 神器

 魔道書庫アーカイブ



 これはいいのだろうか?判断がつかないぞ。


「サクラ、このステータスはどんな感じなの?」

「えっ、と、そうね。実力としてはBランク、中堅冒険者と遜色無いステータスです。けど、完全な後衛ですね。それにSSSなんて見たことも聞いたこともないですよ」


 そうなのか……。それに称号欄にも何か有るが読めなくなっている。あ、神器もあるのか。神器ってどうやって取り出すんだろ?呼べばいいのかな?


魔道書庫アーカイブ


 俺が呟くと目の前に一冊の本が出現する。

 これが俺の神器か。


「神器の展開も問題なく出来るんですね。神器の能力はのちほど、スキルと一緒に確認することにしましょう?しまってください」


 言われた通り神器をしまう……ってどうやるのだろう?イメージすればいいのかな?

 本がこの場から消えるようなイメージをする。すると本はたちどころに消える。


「神器の制御も問題なさそうですね。では明日からは私と依頼に出て、実際どの程度戦えるかをみてみましょうか」

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