Ⅱ
しばらく学校を歩いていると、いつのまにか自分の教室にいた。あまり私は教室が好きではないのに、何だか気持ち悪いな、と言ったようなことを思いつつ自分の席に近づくと何やら部屋の光度が急に高くなった。
……よく見てみたら、少し離れた机は全くもって明るくなっていない。すこし影があるような状態だ。
机の真ん中を中心にした半球の光っている空間があるのだ。
そして、どんどん明るくなって、周りの輪郭も見えなくなっていく。
明るさと比例して意識があやふやになっていく。とても光が心地よく感じられる。まぶたが重くなってだんだん閉じていくという感覚がある。しかし、あまりの光量にちゃんとまぶたが閉じたか、感じる光で判別できない。
私の体の方が魂からずるずると離れていくように、力が抜けて地面にどさり、という鈍い音をたてておちる、同時に気を失う。
目を覚ますとちょうど机の下あたりに横たわっていた。しばらく力を入れても、体に力が入らなかったが、どうにか立ち上がった。ひどい立ちくらみと恐ろしい量の情報が頭の中に流れ込んでくる。
「なっ……⁉︎」と、声が漏れてしまった。立ち上がると、私の視点が10センチ強高くなっていた。それに、服装や私の声、周りも少し違っていた。
と、なんやかんや考えていると、いつのまにか家にいた。
「しかしおかしい、私は数秒前まで中学生だったはずだ。でも中学生から今のいままでの私のしょーもない記憶もある。なくてもいいのに」
と、一人で考察していった。
『いやあの……もうちょっと焦ろうよ、ね?』
あの声みたいなのが襲来しやがった。無視に限るか。
『ねえー、もっと焦ってよー、何者だお主?みたいに質問してよー。貴方、意外と重要人物だからさあ』
……!うるさいし、周りを見渡したとて解決のための何かもないし、かといっても一人でぶつぶつと喋りたくもない。やっぱり無視するしかないのか。
『……あー、ね。そういうこと気にしちゃうのかよ君。思考くらい読み取れるんだよ。しかし、時間だけがないなあ。もう一回、飛ばすよ』
と、勝手に自己完結してから消えた。大量の記憶をたぐって帰宅した。
ふと家を見渡しても、特に変わったところも何もなかった。唯一挙げるとすれば私の部屋が妙に趣味と悪い部屋になっていた、ということくらいだ。
やっと落ち着けたおかげもあってか、眠気が襲いかかってきた。
暖かな光に包まれるような感覚で、吸い込まれるように深く眠った。
そして起きたら、なんか世界征服してた。
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