時は春秋。故国を魯軍に襲撃された公女玲姜を救ったのは、『麟』と呼ばれる胡人の官女。実は彼女は襲撃を予期していた斉の宰相により遣わされた間者であった。
立場も違えば性質も違う。始めは互いに嫌悪していた二人だったが、熾烈を極める逃避行、亡命先である斉への旅路の中、次第にそれぞれの在り方に、身分や民族の差を超えて惹かれていく。
百合、とはありますが、どちらかと言えば友情や親愛に近い、いわゆるソフト百合です。
しかし描写はしっかりとしていて、それぞれの心や関係性の変化が非常に丁寧に描かれた作品です。
彼女らの過酷さな道程に反し、とても爽やかな作品で、大河ロマンとしても非常に良質です。
是非ともこの夏オススメしたい一本です。