業務の流れ

 あるオフィスで男性社員が胸を押さえ、なんとも息苦しそうに仕事をしていた。

「おい、大丈夫か?」

 隣に座る別の男性社員が声をかける。

「あ、ああ。すまん。空気が悪いのかもしれん。ちょっと出てくる」

 少々おぼつかない足取りだったが、社員は部屋を出て屋上へと向かった。

 だが、その社員が見えなくなったとほぼ同時に、今度は残った方の社員も少し息苦しくなってきたのを感じた。

「もしかして、あいつの風邪でももらったか……?」

 だが、息苦しさ以外は特に症状が出ないので、いったん定時までは仕事を務めた。

 にも関わらず、部屋を出た社員は帰ってこなかった。

 何故なら、彼は屋上から一気に玄関まで直線移動をしてしまったからだった。


 男性社員はどうにもショックが抜けず、レストランで忘れてしまおうと来店する。

「この息苦しさをなんとか忘れたいんだが」

 話を聞いたウエイターは一言こう告げた。

「なら、まずはきちんと仕事をすれば良くなると思いますよ」

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