思い出へ変えるため
ある高校の林間学校課程にて事故が発生し、残念ながら生徒一人が大勢が見守る中、帰らぬ人となった。
本人らの不注意が原因だったので、先生らの監督不行き届きとはならず、大きな話になることはなかった。
しかし、心のケア必要な生徒も同時にたくさん出てきたために、学校側は頭を悩ませていた。
「例のレストランに、記憶をうまくボカしてもらうのはどうでしょう?」
教員の一人がレストランで記憶の調整をしてもらえないか連絡を取るのはどうか、と提案した。
相談を受けたレストランのマネージャーは、話を聞くといくつか質問をした。
「その料理を提供する生徒さんは、もう学校には行きませんか?」
「え、いやいや。まだ修了課程までまだありますから、それはないです」
「なら、通常のカウンセリングを行うことをおすすめします」
「そ、それでは生徒が大量に欠席した状態が続くんですよ!?」
「学校という場所に行くたびに、生徒さんは事故を連想想起させてしまいます。どちらにせよ大きなショックで紐つけられた記憶は消しても意味がないことのほうが多いんです、それに」
マネージャーは柔らかい笑顔で続けた。
「その亡くなった生徒さんを死なせた上忘れられてしまっては、誰にも語られなくなってしまう。その方が、私は寂しいですね」
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