結局同じ
「来た来た、効率くん」
ウエイターは常連の男性が入店して来たのを見ながら呟いた。
「ん? なんで『効率くん』なんてアダ名だったっけ?」
別のウエイターが質問する。
「あれ、お前知らなかったっけ。あの客、彼女と別れるたびに必ず来るんだ。注文内容も同じ『別れた彼女との記憶を消してほしい』だってさ」
「それ、普通の使い方じゃね? むしろ健全すぎて好感持てるまであるぞ」
教えられたウエイターは怪訝な顔で反論する。
「違うんだよなぁ」
「どう違うんだよ」
「あいつ、結構有名でさ。同じ理由で別れてるってのにそれごと忘れるもんだからまた同じ理由で別れるんだぜ」
「え、意味ないじゃん」
「だから、『ウチを効率よく使いすぎて別れまくる客』なんだよ」
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