食でまかなう

 やはりその仕組みを知りたいと様々な人がレストランを訪れるなんてことはよくある話だ。

 いつもなら門前払いするマネージャーも、ある界隈からの来訪者はすぐに追い返すことなく、少し話を聞いているようだ。

 それが、医療。とりわけ臓器提供関係だ。

「免疫を抑え続けるのは難しいんです。いっそ前の体の記憶が無くなれば」

「臓器そのものに食事をする能力はないのです」

「食事を挟まなければならない理由は何なんですか?」

「一種のルーチンと捉えていただければ」

「なら、この拒絶反応を消すことは」

「そもそも、食べる当人がその臓器のもとの持ち主でないので難しいですね」

 色々と話し合った結果、今回も平行線をたどり、話は終わった。

「やっぱり無理なんですね」

「いや、やろうと思えば」

 ウエイターはマネージャーの答えに目を丸くした。

「じゃあ、何で応じないんですか!?」

「一生うちの料理を食べ続けてくれ、という解決方法は根本的な解決にはならないからね」

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