カップルの初めて
あるカップルの常連がいる。
いつも初々しい気持ちを忘れないように、と一定の間隔でよく店を訪れる。
だがこの間、彼女の方だけが食事にやってきた。
「今度、彼と初めての夜なんだけど、私が経験者だって知られたくなくて」
そういって、彼女の経験の記憶を綺麗にしていった。
後日、彼の方が一人で店にやってきた。
なんでも過去に付き合った男がいることを隠していた彼女に愛想が尽きたのだとか。
過去に男がいた事よりも、隠そうとしていたことにショックを受けた彼は、彼女の事をまるまる忘れるためにそこそこ高価な食事をして帰った。
そしてまた別の日には、予想通り彼女もやってきた。
「こうなると、また後日が楽しみだな」
ウエイターの予想通り、カップルはまた二人で店を訪れた。
「ここ、俺のオススメでさ。きっと君も気に入るよ」
「わあ、なんだか初めてじゃないみたい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます