第4話 王宮に案内されたソフトボール選手3人組(高校生)。
俺が言った一言で(?)突然かたまってしまった魔術師くん。
「あのー・・・えーと?」
試しに魔術師くんの前で手をひらひらさせてみる。
「・・・」
「おーい、大丈夫かー魔術師くん?」
顔を覗き込んでみる。
「・・・」
「おおー・・・」
「——っはい、すみません。少し・・・」
いや、生きててよかった。
それより、さ。
気になるんだけど。
「ねー、相手の体に触れるっていうのは、御法度なの?もしかして」
「・・・はい。そうなんです。えっと・・・あなたのところでは良かったの?」
うん、と頷く。
「そうなんですか・・・」
何か、考え込むような仕草をする魔術師くん。
「えっとー・・・とりあえず、あっちにいる二人もつれてきていい?」
よいしょ、と立ち上がる。
「あっ、すみません。本来ならすぐに、王宮にお連れするんですが、引き留めてしまいました」
魔術師くんも急いで立ち上がった。
あっ・・・そう?
俺思っちゃったんだけど、この国って絶対王政だったりするのかなぁ。
王宮があるってことは、オーサマ・・・いるんよな。
「「「っわぁ・・・。」」」
俺たち「召喚」されたらしい三人は、野原で超・簡易的な説明をされたあと、「王宮」へ招待された。
ファンタジー漫画とかにあるような豪華でピカピカで綺麗なところで、汗をかいている俺たちには、どこから誰の目から見ても、それはもう完膚なきまでに完璧に場違いに見えただろう。
王宮へは、召喚された野原から「簡易魔法陣」というものが描かれて一瞬だった。
まだ慣れないな。
その後客室へ三人そろって案内され、今にいたる。
客室には一式、生活に必要なものがそろっているらしい。
当分、俺たちはここで生活するそうだ。
「それでは、5時間と47分後に来ますので、それまでゆっくりしていてください。部屋の設備やものなどは自由に使ってもらって構いません。何かあったら、このマークに触ってくだされば会話できますので」
最後に扉横の壁にある、丸いマークらしきものを指さして魔術師くんは出ていった。
豪華だが、白と黒と金で統一された、綺麗な部屋・・・に、汗くさい俺たち。
見たこともない光景にしばし、部屋は沈黙が支配した。
「・・・」
「あの、先輩」
「ん?」
DP、
必要なときに必要な判断ができるので、三年からも信頼されている。
「とりあえず、風呂入って服洗って、荷物整理しましょう・・・か」
「あ、ああ・・・そうだな」
改めて見てみると、俺たちは今日の二試合(うち一試合は終わらないまま終わったが)で汗と砂と土とほこりまみれ、桜小路についてきた道具たちと橘の持っていたバットはそのまま放り置かれていた。
「みろく、まずは風呂だ。こっちにある」
ああそうだ、俺は
で、橘のフルネームは
「ん。行こうか、桜小路」
「はいっ!」
一足先に部屋の探索をしていた橘が俺たちを呼んだので、素直に従った。
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