第9話 火竜の襲来と戦闘機

ーー 飛竜来襲、戦闘機の力


何とか周辺国のゴタゴタも終わりさらには、ペスト菌の蔓延も終わりが見えた頃、あいつがやって来た。


この世界は人が生きるのはとても厳しい世界その理由は、

・病気

・食糧

・戦争

・魔物

・ドラゴン

であるが、特にどうしようもないものに

・病気

・ドラゴン

がある。病気は今回俺が特効薬を持ち込んだから何とかなったがそれでも多くの人が亡くなった。

そしてドラゴンがやって来た。


ドラゴンと言っても色々な種類が存在する、

・原始の竜 〜 世界の始りから生きている竜

・古竜   〜 原始の竜の子供と言われている属性竜

・成竜   〜 古竜の子孫

・幼竜   〜 生まれたばかりの竜

・亜竜   〜 ワイバーンのなどの眷属竜

・ドラゴーニュ〜 竜が人と結ばれて生まれたと言う種族

・リザードマン〜 竜の眷属が元と言う種族

が主な種類と眷属だ。



その中でもタチが悪いのは火竜だ、火竜は火を吐き街や森を燃やし尽くす。

人や魔物をもて遊び食べもしないのに殺すのだ、その火竜がミザン王国を焼き尽くしスミス侯爵領に向かって来ているのだ。


これは情報部からの情報で周辺国や国内に広く散って、知り得た情報を無線機で即刻報告しているおかげで入手した情報である。


俺はすぐに侯爵の屋敷近くに転移し侯爵に報告する、

「火竜がこの侯爵領に向かって来ているようです、準備をしてください。」

と、その事実を知った侯爵は俺が屋敷の地下に準備したシェルターに避難することにした。


そして俺は格納庫に転移すると、F15戦闘機にミサイルを積み込み滑走路から緊急発進した。



ーー 空中戦


戦闘機の速度はマッハ、いかに飛竜が速とも、その速度にはついて来れないはず。

レーダーに大きな反応が現れた。

既に侯爵領に入って来ている、火竜は赤外線追尾装置が有効である。

俺は目視した瞬間、ミサイルを発射した。


大きく機種を上げ上空高くに旋回すると、下方で爆発音が響いて来た。

レーダーを確認しながら急降下すると、翼の一部を失った火竜が低空でふらついているのを見つけた。


「全弾火竜に打ち込め!」

ミサイルを3発が打ち出される、火竜はそれに気付き逃げるように旋回するが、赤外線追尾のミサイルはそれを許さない。


頭と胴体に次々命中し爆発するミサイル、火竜が地に落ちた。


俺はその場所を確認してから機種を戻し、基地へ急いで戻る。

滑走路に着陸するとコックピットから飛び降り、ヘリに飛び乗ると飛び立つ。


火竜が落ちた場所まで約10分、火を吐き悶え苦しむ火竜が見えた。

竜種は回復が早く仕留めるには時間が大事だ、攻撃ヘリのミサイルを2本目視で追跡しながら発射する。


逃げる火竜へミサイルを誘導し無事な方の翼を半分ほど引きちぎる。

飛べない今を置いて仕留めるタイミングはない。


機関砲で機銃掃射を行うと、身体中から血が飛び散る。

「よし、効果がある」

俺は確信しながら再度機銃掃射を行い火竜の動きを止める、ヘリを近くに着地させて飛び出す。


今度は俺の魔法だ、口を開きブレスを吐く事前の行為を見定め口の中に氷魔法のアイスニードルを叩き込みながら顔の周囲を結界魔法で覆う。


口の中で、炎と氷がせめぎ合うが出口はない、大きな爆発が火竜の口に中で起こり血だらけになる火竜。


俺はその間に魔力を練り込み

「スター・ホール」

と唱える、流星雨の魔法だ。


連続して大きな音と振動が周囲を震わせると、土煙で見えなくなる。


次の魔法を準備していたところで、

[経験値が一定を越えました、レベルが上がります]

[レベルが上がります]

[レベルが上がります]

とメッセージが鳴り響いた。


火竜を討伐したようだ、メッセージが止まったところで確認するとレベルが300を越えていた。


火竜を収納し、ヘリに乗り、基地に戻る。


妻たちが来ていた、戻って来た俺を見て皆んなが飛びついて来た。

「シェルターに避難しなかったのか?」

と聞くと

「貴方がいない世界は嫌です。」

とミラージュが代表して言った、そうか俺は幸せ者だったんだなとその時思った。



ーー 討伐を終えて


スミス侯爵に討伐完了の報告を行うと、

「火竜の死骸はあるか」

と聞かれたので、

「ここにあります」

と収納している事を告げると、侯爵は

「今から国王に会うぞ」

と言って馬車に乗ろうとするのでそれを手で制し、

「転移しましょう」

と言いながら侯爵に触れて発動する、そこは王城の中庭だった。

驚く侯爵に、

「たまにはいいでしょ」

と言えば、

「確かにこのような時は貴重だな」

と応じてくれた。


直ぐに国王に取り次ぐようにそこに居た騎士に伝言すると、中庭に火竜を出した。

火竜は全長30mの成竜でかなり破損が酷いが、その姿はいかにも竜だった。


それを見た騎士などが騒ぎ出すと、伝言を受けた国王が近衛兵を従えて中庭に現れた。

「スミス侯爵、これはドラゴンか。どうしたのじゃ」

と言う問いに俺が変わって答える。

「申し上げます、隣国ミザン王国を蹂躙した火竜がスミス侯爵領に向かっていると知り、私が魔法を十全に使い討伐したものです」

と説明すると、国王は

「お主一人でこれを討伐したのか」

と聞くので

「そうです」

と答えると侯爵を見て頷くのを確認した国王は

「見事、ドラゴンスレイヤーよ。後ほど正式に発表するが伯爵じゃ。よいな。」

と言うと国王は

「あっぱれ、あっぱれ」

と言いながら去っていった。



ーー ドラゴンスレイヤー、レイン伯爵の誕生


ドラゴン討伐から早一月、王都で凱旋パレードが行われる日が来た。


この世界では娯楽が少ない、そのため何か大きな手柄や慶賀があるとよくパレードが行われる。

今回も災害級であるところの火竜を討伐したことから、王国民鼓舞の意味を込めてのお祭り騒ぎというところのようだ。


当然お祭り騒ぎであれば、露店や市が立つのは必然、我がレイン伯爵領の特産品も特価で放出した。


パレードのコースは、南門から始まり王城に入るまでの王道約5kmで、オープンかーよろしく屋根の無い馬車で進むお披露目である。

よって妻5人に囲まれての恥ずかしさもある行事であった。



今回の褒美としてレイン伯爵領と海の町の飛び地を挟む領地が譲渡され、かなり大きな領地を所領する運びとなった。



ーー 人材が揃い出しました


以前から手をつけていた、人材確保の方策謂わゆる無料の学校はこのところ大きな成果を見せ始ていた。


俺が持ち込む文明の機器を扱うためにも日本語や英語表記の取説を理解する必要から、語学学校も開校していたのだがこの世界の住民は何故か直ぐに覚えることができたのだ。


初めの頃は俺が翻訳していた取説をコピーして説明していたのが半年かからずスラスラと読めるようになっていった。


すると日本から持ち込む各種の書籍がブームとなり、文化大革命が起きつつある。


そこで俺は、大きな図書館を作ることにするとともに、この世界の歴史や資料を集めさせ歴史書や図鑑を刊行する事にした。


それらの人材の多くは、俺の学校の卒業者で占められレイン伯爵領の学校の存在が内外に広く伝わり最近では貴族や国外からの留学まで行われ始た。



ーー 一つの矛盾と先祖様の存在


この世界に行き来するきっかけとなったあの隧道と、先祖様の日記で引っかかることがあった。

それは、

・あの隧道はどうやってできたのか

・先祖様は何時ごろ、この世界にやって来たのか

・俺と同じように若返ったのか

・寿命はどうだったのか

・この世界と元の世界では時間軸が違うが俺はどの時間軸で生きているのか

・この世界に来て身体が若返ったと言うより作り替えられた気がするが元に戻ることがあるのか

・この世界で子孫を残せるのか

・先祖様は何かこの世界に残していないのか

と言う疑問である。


鑑定を自分にかけると年齢が見たままの若さが表示されるが、こちらに来て結構時間が経つのに年齢の項目が変化していない、歳をとっていないのだ。


俺と言う存在はこの世界でも元の世界でも特別になりつつあるのではないかと思い出して来たが、この問題はしばらく棚上げしておこう。


ご先祖様が死んでいるのであれば、俺にも当然寿命が存在するはず、そのヒントを探すことにした。


あの隧道に転移し、日記を見つけた机周辺を隈無く探すと見つけたのだ、隠し部屋を。


部屋の入り口は岩の壁面と全く同じで、鑑定しながら探していて見つけたが開け方がわからなかった。

そこで色々と試すうちに自分の魔力を流し込んだ時に扉が開いたのだ。


中は10畳くらいの部屋で奥の壁に3つ扉があった、部屋の中は扉と入り口以外の壁に大きな棚が置かれ、所狭しと資料が積み重ねられていた。


1番左側の扉の一つを開けると中には、武器や鎧が整然と並べられ武器このような部屋だった。


中央の扉を開けると、中には金銀財宝類や魔石など宝物庫と言えるものだった。


最後に右の扉を開けると、ベットと机が置かれ寝室的な部屋だと思われた。

その机を見ると描きかけの日記が置かれてあり、隧道の日記の作者と同一だと分かった。


内容は、

「我は影山 弾正(カゲヤマ ダンジョウ)なり、悠久の時を超え妖の世界にて王となるも親しきもの皆死に絶えた。

 我が人生に一片の悔いなくも孤独には勝てず。

ここに秘薬を遺す、必要となったら使うが良い、1年ほどで老衰しよう。


この部屋を見つけられる者にはある条件がある、

・現世で永き人生を生きた者

・妖の術を身に付けられる者

・我の子孫である者

である。


未だ夢半ばであっるなら、我が人生の歴史を紐解け、そこには汝が求める全てがあるだろう。」

と言う内容であった、この文章は隧道の机の上の日記と同じ室町から江戸時代に書かれたものだと分かる、文字や書体が俺の学んだ古典の書物と合致するからだ。


入り口の部屋の戻り、棚の資料や日記の類を全て収納し俺は自宅に転移で戻った。


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