第4話 選択
『さーどうしてくれよう。このワラワをここまでコケにしてくれたお礼を。まずはジャック!ソチもこちらへよこして、姫と一緒に牢へ閉じ込めてくれようか。
、、、いや?ちょっと待てよ?そうだ、いいことを思いついた。牢の中は姫一人で入っておれ。ワラワはこの牢から出て、さあジャック、この牢にカギを掛けよ。下手な真似をしたらワラワの極大暗黒魔法で灰にしてくれようぞ。
(牢の中にミーチャ姫を残したままカギを掛ける ガチャ)
「ちょっと!あんた!さっさと逃げないで、こんなことしてどうする気なのよ!」
『まーそう焦るな姫。今からたっぷりと楽しませてあげようぞ。先ほどソチはワラワに大変なものを見せつけてくれたのう。ジャックよ、ちこう寄れ。そうじゃ』
『ジャックと正面で向き合って、まずは、耳に息を吹きかけて見せよう。ハァー
(ヴァルボの吐息)
それから、ミーチャ姫には無いこの豊満な胸をジャックに押し付けてみたり。ンッン~
(ヴァルボの
この一週間、食事を運んで来るたびに、この胸を見ておったじゃろう?そういう視線は全てわかるのじゃよ。どうじゃ?柔らかいであろう。
(胸を押し付ける音 タプッタプッ)
さらに、ジャックの腰に手を回して、股間に足を忍ばせて動かしてみたり。ハッァー』
(ヴァルボのよがり声)
「ちょ、ちょっとジャック!あんた、何感じてんのよ!ばっかじゃないの!
さっき、私がやってあげた時より、気持ちい顔してんじゃないわよ!」
(鉄格子を強く掴んで揺らす音 ガシャガシャ)
耳元小声『んー。蚊帳の外がうるさいのぅ。いや?この場合は中か?まあどちらでもよい。
我が愛しのジャックよ。いつまで経ってもお前が来ないから、ワラワの方から来てやったぞ。うれしかろう?他の看守どもはワラワを雑に扱うが、ソチだけはいつも献身的に接してくれたのぅ。そんなところが気に入ったぞ。
その髪も、鼻も、唇もいつかこうして触れてみたかったのじゃ。重ねてみたかったのじゃ。それが、全て叶うのじゃ。うれしいのぉー。
王へ立てた忠誠の誓いと、ワラワへの愛の狭間で揺れ動いていたのはわかっておった。しかも、ソチの心のどこかに、別の思い人がいたのもわかっておった。まさかそこの姫だったとはのぅ。じゃが、そんな悩みはもう無用じゃ、今後はワラワと一緒に法律や倫理に縛られることなく、愛で満たされた生活を共にしようぞ。
考えてもみてみぃ。今後もここで、生意気でうるさい小娘の姫にののしられながら、薄暗い牢の番人をさせられて、囚人を相手にするだけの人生を送るのか、それとも、ワラワと一緒に大魔王様復活という目標を共に掲げ、ストレスの無い自由な世界を突き進むのか。
答えはおのずと出てくるであろう。ん?どうじゃ?』
「ちょっと!あんたたちいつまでくっついて、何話してるのよ!べ、別に私はそんなもの見せつけられたって、何とも思わないんだから!あんた、何か勘違いしてんじゃないの!ジャックとはただの幼馴染で、たまたまよく話をするってだけなのよ。だから、そんな、そんな淫らにくっつく姿を見せられたからって嫉妬なんかしないんだから!」
『ふはっはっはっ。いたのか姫よ。忘れておったわ。ついつい、ジャックと二人だけの世界に入って、将来の夢を語り合っておったわ。じゃがしかし!ジャックと一緒にこの城を出ていこうと思ったが、どうやらまだ、ジャックの心に迷いがある。
その視線、仕草、言葉遣いから、、、
姫よ!ソチへの思いがあり、未練があるようじゃ』
「そ、そうだったの?ジャック!あんた!そうならそうと、、、
姫と家来だからって、遠慮してんじゃないわよ!そ、そういうことは、はっきり言葉に出して言わないと伝わんないんだから!そりゃあ、私だって、あんたへの気持ちが無いことも無いっていうか、その、ばか!私から全部言わすんじゃないわよ!家来のくせに、姫様であるこの私から愛の告白をさせるなんて、ほんっとどんくさいわね!ジャック!」
『このまま無理矢理ジャックを連れ去ったとしても、ワラワも面白く無い。そこで、ジャックに未来を決める選択権をやろう。
ジャックよ、今からワラワと共にこの牢獄から逃げるのであれば、姫とこの城や町へは何もせずに立ち去ってやろう。
もし、姫を選ぶというのであれば、お前たち二人だけを残して、城と町の者どもを極大暗黒魔法で焼き尽くしていってくれようぞ。そして、その選択をした罪の意識を、二人で背負って今後を生きていくというわけじゃ。愛の力でお互いを支え合って生き抜いていくのか、はたまたその罪の重さに耐えかねて、共倒れとなるのか。ワラワは遠くからソチらの姿を見て、楽しむとするぞよ』
「なんで、その二択なわけなのよ!ジャック!答えるんじゃないわよ!こんな奴のことを聞くんじゃないわよ!」
(鉄格子を強く掴んで揺らす音 ガシャガシャ)
『さぁ選べ!ワラワと来るか、そこの姫と共に業火に包まれた未来へ行くかを!』
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