第15話「ゴーレム神殿」
俺とエデン、そして今回はレイアと一緒に依頼を受けた。
「手を引っ張るなよ、エルフの小娘」
「それを言うなら足よ、メイドさん」
ぐぬぬぬと見えない火花が散っているが俺には関係ない。
今回の依頼は神殿の調査だ。
まあそこらに巣くってる盗賊やらなんやらを倒して終わりだろう。
そう考えた俺は考えが甘かった。
神殿が目視できる距離まで近づいたその時である。
「止まれ!」
レイアが小声で静止を促す。
一応命令に従い、近くの茂みに隠れる俺達。
彼女は使い魔の小鳥を放つと数分で戻って来た。
「どういう事?ダークエルフ達が遺跡を見張っているわ・・・」
レイアが使い魔からの情報を教えてくれた。
ここはダークエルフの集落からは遠いはず。
彼らは閉鎖的で自身の領域からは離れないと聞くが・・・
「そういえば終末の炉の時もこいつらがいたな・・・」
偶然か何か企みがあるのかは知らないが、俺達は見つからない様に、
見張りに注意して進む事にした。
エデンの魔法頼みなのもいいが、騒ぎを起こさないに越した事はないからな。
レイアの使い魔からの情報もあり、なんとか遺跡の内部に入り込んだ俺達。
しかしここからは隠れる場所も碌にないし、使い魔も目立つから使えない。
俺達は正面を警戒しつつ遺跡を進んだ。
「うおっ!」
暗がりにだが俺の前に巨大な石像が建っていた。
「なんだただの石像か・・・びっくりさせやがって」
俺はチンピラみたいな台詞を吐くと石像を軽く蹴飛ばした。
ゴゴゴ、石像が軽く唸る様な音がした。
そんなに脆かったんだろうか・・・
「危ない、避けて!」
レイアが俺を抱いて飛んだ。
石像は崩れる訳でもなく、俺の居た所に拳を叩きつけて来た。
どこぞの魔術師が作った魔像か?
いやもしかして・・・
「エデン!こいつを破壊してくれ!」
エデンは無言で手をかざし衝撃波を繰り出す。
動く石像が粉々に砕け散ると周辺に土埃を纏った髭面の小人が居た。
土の精霊、ノームである。
「この精霊、狂ってるな・・・」
俺は注意深くノームを分析した。
普段精霊は温厚で、危害を加えなければ攻撃してくる事は無い。
しかし狂暴化した精霊は強さが何倍にも増加する上、周囲を見境なく攻撃してくる。
今回はこの石像に憑りついて操作していたという訳だ。
精霊が狂暴化するのは自然現象か、或いは・・・
「魔術師が意図的に暴走させたか・・・ね」
レイアが教えてくれる。
なるほど、狂暴化した精霊に、遺跡近辺のダークエルフ・・・全てが繋がった。
何故精霊を狂暴化させてるかは知らないが・・・
俺達は狂暴化したノームとダークエルフ達を警戒しながら神殿内部を調査した。
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