第6話
この日は、自治会の墓地の清掃作業だったので、朝食の後、私はタオルと鎌を携え、両親の墓のある墓地へ出かけた。当家の墓の供花が枯れ果てていることが、親戚の手前、気まずかった。わたしはその分、懸命に草を刈り、柵の修繕を手伝い、率先してお茶を配って回った。
休憩の時、老人たちが、このあたりが土葬だったときのことを話していた。
「上手に穴を掘る人だったねぇ」
「大きな人だと手や足をくじくのがこわかったなぁ」
「土饅頭が平らになったら、成仏した印だとさ」
曇り空の彼方で鳶が幾度も鳴いた。私は、ふと、燕の子のことが気にかかった。
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