第826話 いつの間にか「花散らす雨」?

三月の下旬に急に雪がちらついたりして、気候の安定しない春だが、4月になると、少し本格的に春めいてきた。気が付くと、桜の花も結構咲き始めていた。


一斉に桜が咲く、という感じではなく、桜の木が並んでいても、満開になっているものもあれば、その横は少し葉桜になっていたり、またその横は5分咲きくらい、とそれぞれの木々によって、咲き方が異なっていた。


私が子供のころは、ちょうど4/8頃に小、中、高校の入学式があり、ちょうどそのころに桜が満開~少し葉桜になり始め、桜の舞う中を新入生として迎えたような記憶があるが、地球温暖化の影響なのか、少し早まったように感じる。


昨日は私は訪問診療の日だったが、あいにくの雨だった。少し小降りになったり、どしゃ降りになったりとしながら、雨の中を患家に向かって、車から傘もささずに走って仕事をしていた。


車の乗り降りの際に、うまく傘を広げたり、畳んだりするのは結構難しいように私は感じている。なので、雨の日に車で移動するときには、多少濡れることは覚悟の上である。超高級車ロールスロイスには、ドアに「傘」が内蔵されていて、すっと傘を取り出せるようになっているが、当然ながらわが愛車にはそんなものはなく、後部座席に傘を置いていて、運転席から出て、後方のスライドドアを開けて、傘を取り出して、ドアを閉めつつ傘をさす、ということをしている。


そんなわけで、昨日は一時、激しく雨が降った。


今朝は路面は濡れていたが、太陽も差し込んできていて、天気は良くなっていきそうだった。自宅を出て、山下りをしていると、途中のお寺で咲いていた桜が、前日の大雨でかなり散ってしまっていた。


時期は早いが、「花散らす雨」になってしまったようである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る