第700話 Lucy in the Sky with Diamonds.

どこかでこの話は書いたことがあるかもしれない。まずそれをお詫びしておく。


1980年12月8日、John Lennonは自宅アパート前で凶弾に倒れた。どこで読んだ話だか忘れてしまったが、搬送された病院での診断は、大動脈~鎖骨下動脈(左右どちらかは忘れた)の銃撃による多発損傷。安部元首相と同じ状態である。安部元首相と経過も同じで、医師団の努力にもかかわらず、彼は永遠の眠りについてしまった。


今日がその日であるが、この話題を書こうと思ったのは、たまたまのことで、わざわざこの日のために温めておいた、というわけではないと伝えておく。


子供のころのテレビ番組「ひらけ!ポンキッキ」では、番組の中で、ビートルズなどの曲の一部分を使っていることが多かった。記憶に残っているだけでも、デビューアルバム”Please Please Me”のB面3曲目(CDなら10曲目)のカバー曲”Baby, It’s You.”の有名な「シャラララ」コーラス(曲の始まり部分、YouTubeで聴いてもらえればすぐわかります)や、アルバム”Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band”のB面2曲目(CDなら9曲目か?)の”When I’m sixty-four.”のイントロ部分などが使われていたように記憶している。


小学生のころは、チューイングガムのCMにビートルズが使われていたことを覚えている。テレビ画面にはセカンドアルバム”With The Beatles”のジャケット写真(これも有名な写真)が写っていて、名曲”Please Please Me”のイントロとともに4人の口からガム風船が出てくる、というCMだった。あのCMは、Please Please Meのハーモニカがすごく印象的だったことを覚えている。


余談ではあるが、セカンドシングルで、初の全英No.1ヒットとなった“Please Please Me”、もう60年以上前の曲だが、イントロのハーモニカも含めて、今聞いてもフレッシュではじけるようなビートルズのエネルギーを感じる曲である。


閑話休題。そんなわけで、「ビートルズ」の名前は知っていても「曲」は知らない、という子供時代を過ごしていた。


中学に入り、単語“Yesterday”を習ったときに、「名曲」という事で英語の先生が、“Yesterday”を聞かせてくれたが、私の好きな曲ランキングの中では、それほど高い位置を占めていない。なので、あまり心動かされることはなかった。


ただ、私がビートルズを好きになったきっかけも中学時代で、何となく興味本位でFMラジオで「ビートルズ特集」をする、というので「エア・チェック」(FM放送を録音すること、もう今では「死語」ですな)したのがきっかけだった。その時の3曲、”Penny Lane”, “Lucy in the Sky with Diamonds”, “Being for the Benefit of Mr. Kite”にすっかり心奪われたのが初めてだった。初めて聞いたときの感動は今でも忘れられない。


YouTuberの「小野リンダ先生」(多分、JohnとPaulの妻、「小野洋子」と「リンダ・マッカートニー」からつけたのだろう)という方が、ビートルズの曲を日本語訳で歌う、という動画を作っておられて、昨日たまたま”Lucy in the Sky with Diamonds”の動画を見た。和訳も適切で、曲も原曲に合わせており、非常に良い出来だった。改めてこの曲の美しさに感動し、筆を執った次第である。


ビートルズの曲で、7枚目のアルバム“Revolver”から、”Sgt.Pepper’s~”, “Magical Mystery Tour”のあたりは、ドラッグに影響された曲がいくつかあり、この曲も、頭文字を取ると”LSD”となること、曲調が幻想的であることから、ドラッグソングではないか、という疑念がささやかれていた。


ビートルズはその辺りは正直で、「ドラッグの影響を受けた曲」については、「そうだ」と答えているのだが、この曲については、主に曲を作ったJohn Lennonは明確に否定している。


「子供(Julian Lennon)が幼稚園で描いた絵を見せてくれたんだ。女の子が空を飛んでいて、周りには宝石がちりばめられていたんだ。「何を描いた?」と聞いたら、”Lucy in the Sky with Diamonds”と答えたんだ。その言葉にインスピレーションを得てこの曲を書いたんだ」とのこと。


実際に、Julianの幼稚園時代の友人にLucyという女の子がいたそうである。残念ながら、2006年に永眠されたそうだが、Lucyが亡くなる前にJulianは彼女に会うことができたそうである。


ビートルズのアニメ映画”Yellow Submarine”を見たが、映画の中でもこの曲が取り上げられていて、サイケデリックな映像とマッチしてとても美しいシーンだったことを覚えている。


何となくそんなことを思い出した次第である。

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