応援コメント

第535話 医療用AIはどう進歩するのか?」への応援コメント


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    少し触った程度で深く理解している訳ではないですが、診断予測AIはネットから拾うのでなく、電子カルテのデータベースから拾うことを想定しているようです。
    それで、とにかくたくさんの電子カルテのデータベースを構築すること。
    ベイズ統計理論で、検査数値の異常などの例を検索して似たような、検査数値の異常のあるカルテを絞りこんでいくわけです。
    そうすると、統計理論的にある診断が割り出される仕組みです。

    実際に生成AIはネットから拾いあつめているので、ネットから集めるのか、電子カルテデータベースの違いです。ネットにはガセもフェイクもたくさんあり、不正確になるのはわかります。ただ電子カルテは誤診は予測の下の方になっていくわけで、大多数の医師がこう診断している、というのが上位検索結果になる仕組みですね

    画像イメージからも検索は可能になって、結核などはすぐにでも実用化レベルでしょう。医師はGoproのようなカメラ付がついた眼鏡をかけて、患者さんの口を覗くと、その眼鏡のスクリーンに、矢印が出て「〇〇」だと見ることがすぐソコの未来にあるわけです。

    腫瘍なども、電子カルテのMRI画像などが一定整えば出来ることが見込まれます。

    MRIやCTのほか、fMRIや今後開発が進むと言われるfNIRSなどが蓄積していけば、診断補助としてはかなり、有効なものと考えられます。

    それにはGPUによる計算速度向上が図られる必要がありますが、それを積極的に開発していたのは、詐欺で逮捕された斎藤元章氏(現在は弟が会社代表で出所待ち)、女性問題で失脚した米山隆一衆議院議員

    斎藤氏の著書「エクサスケールの衝撃」ではその構想が簡単に触れられています

    (ご返答御礼)
    ありがとうございました。
    現場も、そのあたりに気がついていて、AIの予測は、複数候補がでて最終的に診断するのは、「人の手」だとか。
    結核あたりは、もうレントゲンのデジカメにマーキングして出力なんてことは可能かもしれませんが、検査機関の喀痰検査などもネットワークにつながって、電子カルテに自動で入っている、みたいなことも出来るとか、なんとか、みたいです。

    長文失礼しました

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    問題は電子カルテを基にしたデータベース、いや、医師が記載したカルテそのものの信頼性がどの程度あるか、というところだろうと思います。

    以前聞いたことのある昔話ですが、いつごろかは知りませんが、東大病院で「名医」と呼ばれていた内科教授の退官講演で、自身の診断と病理解剖での診断を比較して、自身の診断の正診率を発表したことがあったそうです。正診率は約2/3,誤診の中でも「小さな誤診(同じ系統の、似たような病気との誤診)が誤診の6割、残りの4割は「臨床診断」とは全く違う診断だった、と発表されたそうです。

    私が主に高齢者の内科を診療していて、基本的には複数の疾患を抱えた状態で、終末期の方も多いせいかもしれませんが、当院に紹介入院となる方の紹介状と、本人の病態が全く異なっていたり、想定されている疾患と全く違う病態だった、なんてことはよくあるので、「自分自身」も含めて、患者さんの「診断」を確定するのは難しいです。

    一例ですが、発熱を主訴に他院救急外来に搬送された方で、「尿路感染症」の紹介状をもって受診された70代女性の方がおられました。紹介状は非常に丁寧に書いてくださっており、データもつけてくださっていたので、それらをよく見ると明らかに「尿路感染症ではない」とわかりました。当院での簡易の採血結果も踏まえ、「細菌感染症ではなく、『血球貪食症候群』という血液疾患の可能性が極めて高い」と判断しました。

    紹介元の病院の血液内科は非常にしっかりしているので、患者さんに「紹介元の病院の血液内科に紹介状を書くので、もう一度受診してください」とお願いしましたが、その病院が結構山奥の不便なところにあるので、「あそこは遠くていやだ!近くのかかりつけ総合病院に紹介してほしい(そこにも「血液内科」はある)」と強く頼まれました。

    紹介状には強く、「細菌感染症ではなく、血球貪食症候群!」と記載していたのですが、紹介先からは、「細菌感染症として入院してもらいました」と返信が届き、ガックリしました。

    それから3日後、患者さんは急変され、先の山奥の病院に転院となり、そこで永眠。臨床経過、血液検査の結果からは私の「血球貪食症候群」が正しい診断だったようです。

    ということで、正しい診断名を書いて紹介しても、誤った診断名で入院されることもあります。

    AIの制度を向上するためには、正しく「正解、不正解」を判断する必要がありますが、現実としては「誤診」は珍しくないこと、「誤診」しても大外ししなければ、患者さんの自己治癒力で良くなるので、「誤診」(悪性疾患は、正診率ほぼ100%ですが、その他の疾患ではなかなか100%は難しい)と気づかずに治癒してしまうことなど、なかなか難しいところです。

    ちなみに、結核の陰影は典型的なものはAIで外すことはないと思いますが、結核の異常影はあらゆる肺陰影(急性間質性肺炎を疑うもの、びまん性肺損傷/急性呼吸促拍症候群を疑うものなど)を取るので、実はレントゲンやCTで、結核が全て診断できるか、というと難しいところです。私の師匠は呼吸器内科医で、研修を受けたのも大阪市西成区に次いで結核の多い地域でしたが、非典型的な陰影で、結核除外のためにルーティーンで提出しているPCRや塗抹検鏡で「排菌している結核」と診断がつき、バタバタすること(いや、半分は慣れっこ?)も多かったです。

    長文失礼しました。

    編集済