第420話 横綱には、科学的なアプローチを行なうトレーナーがつかないのかな?
Yahoo Japanの記事から。
横綱 照ノ富士関、一時序二段まで下がり、そこから横綱にまで昇進した立派な横綱だが、横綱昇進後は、けがや体調不良に苦しんでいる。
Yahoo Japanの記事では、両膝のケガに対して手術をするために20kgの減量を行なったとのこと。術後、春場所の出場を目指して体重を急いで戻そうとしたところ、糖尿病が一気に悪化した、とのことである。
私の記憶の限りだが、糖尿病を持つ力士は少なくなかったように記憶している。もともとアジア人はインスリン分泌能が弱く、力士体形という、脂肪も筋肉もついている状態、というものに遺伝的に合わないのだろう。
体重を増やそうとして、糖尿病が悪化すれば、場合によっては却って体重が減ってしまう事もある。それだけではなく、一般的に糖尿病を持つ人はそうでない方に比べて平均で10年近く寿命が短いことがわかっており、糖尿病のコントロールが悪いほど、その傾向が強い。
糖尿病が悪化すれば、傷の治りは悪いし、すぐ感染を起こすし、ちょっとした感染がきっかけで組織の壊死を起こしたりすることもある。
天下の横綱である。専属トレーナーを数人つけて、適切な糖尿病の介入を行ないながら筋肉をつけ、土俵に復活させることはしないのだろうか?
一流のアスリートにも関わらず、「体重を増やそうとして糖尿病が悪化した」なんてこと、今のトレーニング理論や糖尿病の学問的知見を考えれば「あるわけがない、あるいはあってはならないこと」だと思うのだが。
千代の富士関は、積極的に筋トレを自身のトレーニングに導入して、昭和の大横綱となったと記憶している。
同様に、少なくとも各部屋に数人、専門知識を持ったトレーナーがいれば、相撲界もまた違った様相になるのではないのだろうか?それは「相撲の伝統」と相容れないものではないだろうと思うのだが。
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