第235話 息子たちも大受けだったよ(科学的素養の重要性)

今日のネットニュースでも取り上げられていて、以前にもどこかのネットニュースで見たことがあるネタである。


自然派志向の方で、洗剤として、「重曹」や「クエン酸」を使う、という事が比較的よく広まっている。それなりに汚れを落とす力もしっかりあるそうである。そしていくつかのホームページでは「『重曹』と『クエン酸』を混ぜて『最強』の洗剤に」という記事が載っていたそうである。


私が最初に読んだのは、上記の記事を読んで、せっせと汚れ落としに励んだが「あまり落ちない、私の方法が間違っているのかな?」という文章であった。


文章を読んで不覚にも笑ってしまった。汚れは落ちないが、見事なオチである。「重曹」はその「アルカリ性」で、クエン酸はその「酸性」で汚れを落としているわけである。混ぜてしまえば、中和されて炭酸(二酸化炭素)の泡が出てくるだけである。なので、どちらか片方だけを使ったときより明らかに洗浄力が低下するのは、中学校の化学の問題である。


この話を長男、次男にしたら大ウケだった。ただ、私個人としては単純な笑い話ではなく、ある意味「笑えない」話でもある。


というのは、平然と「『重曹』と「クエン酸」を混ぜて最強の洗剤に」という記載のあるホームページがあり、またそれをなにも疑わずに実践し、「私が悪いのかなぁ」と心配する人がいる、という事である。


最初に読んだ文章にはたくさんのレスがついていて、「重曹」と「クエン酸」、混ぜたら中和するよ。汚れが落ちなくて当たり前だよ、という声がたくさん寄せられていて、文章を書いた人も、「私が悪かったのではなかったんですね、よく考えれば当たり前ですね」と返事を書いてくださっていた。


今日はYahooニュースにこの話が取り上げられていて、わざわざ石鹸メーカーのコメントまで載せていた。


この時期、受験生は必死になっている時期だが、「こんな勉強をして何になるのだろう」と思っている人も多いと思う。でも、小、中、高校で勉強していること、実際の生活で役に立つことはとても多い。「受験」のためでなく、今後の人生を「よりよく生きるため」に、そして、「エセ科学」に騙されないように、しっかり勉強した方がいいと思っている。

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