第187話 日の出とともに出勤、日没とともに退勤

現在の職場は、ありがたいことに医師の出退勤についても厳格に対応してくれている。残念なことに残業代はつかないが、勤務終了時間が来たら、医師の使命感として残らなければならない(例えば、急変時の対応中、お亡くなりになられた方の家族があと15分ほどで到着する、など)場合以外は、定時での退勤を指示される。


研修医時代は「仕事」=「トレーニング」でもあった。もちろんタイムカードで出退勤時刻の管理はしており、出勤時間、退勤時間の規定もおそらくあったと思うのだが、そんなものは意識していなかった。前職場は、医師以外は8:30、医師は8:00出勤となっていたが、退勤の時刻規定はなく、夜診が長引けば、あるいは夜に入院があれば退勤時間はいくらでも延びた。そういう点で、退勤時間も規定され、他のスタッフも医師の退勤時間を考え、それ以降に患者さんとの面談などを入れることはない。勤務時間を決めてもらっているのはありがたいことである。


当院では、医師以外は原則8:30~16:30となっている。医師は原則9:00~17:00となっているのだが、当院の当直医(ほとんどがアルバイトの先生)の勤務時間が18:00~翌8:00までなので、前後に1時間の空白がある。そのため、医局には、早出制度、居残り制度がある。「早出」の人は8:00出勤となるが、その分、退勤時間が1時間早くなり8:00~16:00が勤務時間となる。「居残り」は出勤時刻が遅くなることはなく、9:00~18:00となるため、居残り手当がつくことになっている。


初期研修医~後期研修医時代、循環器内科は7:00~、総合内科・呼吸器内科は7:30集合だったので、診療所時代も7:30から仕事を開始できるように出勤していた。その名残は今も続き、診療所時代、7:30から仕事ができるよう、6:30頃に家を出ていたので、今も自宅を出るのは6:30頃である。そうすると職場には7時ころに到着する。というわけで、私の出勤日に早出勤務が必要な曜日はすべて私が早出勤務となっている。そうすると、退勤時間が16時となる。


ちょうどこの時期、6:30頃に日の出、16:30頃に日の入りなので、朝焼けを見ながら出勤、夕焼けの中を退勤、となっている(もう少し季節が進めば、真っ暗な朝に出勤、という形になるのだろう)。朝日とともに動き始め、夕日とともに仕事を終える、ちょっといい感じかもしれない。

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