第179話 運動できなかったからねぇ…。

数日前の新聞記事。COVID-19による外遊びの機会減少などが影響しているのか、こどもの運動機能がこの数年で低下している、という記事だった。


踵を床につけたまま膝をしっかりと曲げ、お尻を地面につけず座る座り方、いわゆる「ヤンキー座り」とも揶揄される座り方がうまくできない子供が増えている、と記事に書いてあった。


学校の体育の授業の減少が影響、とも記事には書いてあったが、小中学生のころ、そのような座り方を指示されたことはない。関西で「三角座り」と呼ばれている、足裏とお尻を地面につけ、膝を曲げて三角形を作る座り方か、片足は足裏を地面につけて膝を曲げ、体側の足はつま先だけを地面につけて膝を曲げ、踵の部分にお尻を乗せて座る座り方(僕らはこれを「体育座り」と呼んでいた)か、体育での座り方はどちらかであった。なので、私も、両方の踵を地面につけて、膝を完全に曲げて座ることはできない。その体制を取ると、後ろにひっくり返ってしまう(重心が後ろに偏っている)。


記事では、いわゆる「ヤンキー座り」ができない、という事は、自分の身体の重心を把握し、適切に重心を調節する機能が失われた状態、と書いてあった。それはそうかもしれない。しかし、この座り方ができないと、実生活でもずいぶん困ったことになる。


ここから、少し汚い話になるのはご容赦いただきたい。この「ヤンキー座り」、和式便所で用を足すときの体勢と同じである。なので、この座り方のできない人は、和式トイレでは大変苦労することになる。後ろにひっくり返るといろいろな意味で大ごとになるので、色々苦労する。目の前の水道の配管につかまるか、手が届けば、後ろの壁に手を伸ばして体を安定化させなければならない。


公園や駅などの男性用トイレは大概、悲惨な状態となっている。なので、もし急に催してきた場合には、百貨店など、ある程度掃除の行き届いていそうな建物に入ることが多い。そのような場所でも和式のトイレしか見つからない場合がある。その時は絶望的な気分でトイレに入る。その時には、普段使わない筋肉を使う羽目になるので、危機は回避できたとしても、そのあとの筋肉痛がひどい。


う~ん、小さいころから運動は苦手で、ほとんど身体を動かさなかったからなぁ(ちなみに子供のころは病弱で、月に一度は寝込んでいた)。思わぬところで、思わぬ苦労をするものである。

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