第177話 台所の水道が壊れた
対面式キッチンなので、本来は「キッチン」というべきなのだが、どうも私の感覚では食事を作るところは「お台所」という言葉がしっくりとくるので、以下、「台所」と表記する。
もう十年以上前に購入した家だが、ちょっと台所もおしゃれで便利(そう)な作りとなっていた。水道はレバー式の混合栓となっていて、蛇口のところが伸び縮みし、水流も普通のものとシャワーの切り替えができ、蛇口近くのボタンで水を一時的に止めたり出したりができる、という水道の蛇口となっていた。おそらく経年変化なのだろうが、昨日、洗い物中に妻か、次男君かわからないが、蛇口近くのボタンを押し、水を止めたところ、それ以降いくらボタンを押しても蛇口から水が出なくなってしまった。台所なのに水が出なくては話にならない。というわけで、仕方なく、蛇口のパーツを外し、少なくともレバーで水を出したり止めたりはできるようにした。
蛇口のパーツを外して、一つ一つ分解していく。ボタンのカチカチと可動する部分、それとリンクして動くはずの部分が動かなくなっていた。しかし、その部分を分解することは難しく、修理をするのは諦めた。
今日は、精神科クリニックの定期受診日だったので、そのついでにホームセンターに足を延ばし、代わりになるパーツがないかどうかを見計らった。なかなか思ったようなものはなく、「これなら何とかなるかな?」と思って購入したものも、結局うまくくっつかなかった。
分解した水道の蛇口、水の流れを見ると、面白いことに気づいた。おそらく蛇口のパーツの部分で流速を落としている影響だと思うのだが、もともと水道からの水は細かな泡を含んだ「乱流」で出ていたが、パーツを外し、むき出しになったホースから出てくる水はきれいな「層流」だった。だから何だ、と言われると特に何があるわけでもないが、「あっ!蛇口からの水、「層流」になってる」と思うと少し面白かった。水道管の本管から分岐し、枝分かれして台所に配水されているが、その間の水道管の太さがうまく働いて、層流を作っているのだろうか、などと、全くどうでもいいことを考えた。
乱流に比べて層流はスムーズに流れるので流速が早いので、いつもの感覚で水を使おうとした妻も子供たちも、勢いのある水で洋服を濡らしていた。
ただ、こうやって私は面白がってはいるが、不格好で不便であるのは確かである。後日メーカーさんに来てもらうことになるだろう。10年を超えて住むと、あちこちガタが来るものである。これから、さらに家にお金をかけなければならないのだろう。少し頭が痛いところである。
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