第135話 魂の虐殺

国連における「紛争下での性的暴力担当国連事務総長特別代表」であるプラミラ・パッテン氏が、AFPのインタビューに対して、ロシア軍のレイプなどの性的暴力は「軍事的な戦略」であり、「被害者の人間性を奪う意図的な戦術」であるとの認識を示した、というニュースを見た。


このニュースを見て、ロシア軍とそれを統括している(はず)のプーチンに対して、激しい怒りを覚えた。銃をもって人の命を奪うのが虐殺ならば、人間の尊厳を根底から踏みにじる行為は「魂の虐殺」だといっても過言ではないと思う。


ウクライナへの侵略行為は、平和に生きる生活の場や、人命を奪い取るだけではなく、たくさんの「魂の虐殺」も行っていたのである。


戦場での性犯罪は、私はこれまで、軍紀を逸した兵士がそのような行為を行っており、そのような兵士は「軍として処罰すべき」問題だと思っていた。ところが非常に驚いたことに、「軍の作戦」として行われていた。それを示唆する証拠も複数ある、とのことだった。まったくもって許せない蛮行である。この怒りをどこにぶつければよいか、身のやりどころに困るほどである。


いかんともしがたいところだが、「天網恢恢疎にして漏らさず」と言って、このような作戦を企画、実行した人たちに天罰が下ることを祈ることにしよう。私ができることはそれくらいしかない。


どうかこの世界から、戦争だけでなく、日常生活の中でも、このような「魂の虐殺である」性暴力が起こらないよう、心から祈っている。



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