第133話 もう「国営放送」でいいんじゃね?

「NHK 受信料未払い者への過料 受信料の2倍と決定」との記事を読んだ。以前に読んだニュースでは「スマホでもワンセグでTVを見れるからスマホ所有者からも受信料を請求する」など、「受信料を回収する」という事については、非常に強い執着を見せているような印象を受ける。


NHKが受信料を支払ってもらう根拠は放送法という法律にあり、公共放送の独立性を担保するためには、NHKの運営資金を税金からの支出や企業からの広告収入に依存することははそぐわない、との理由からだそうな。


技術の進歩で、今ではほとんど見なくなった「キセル乗車」(「キセル乗車」という言葉を知らない若者も多いのではないだろうか?)だが、ほとんどの鉄道では、キセル乗車を行なった場合は、正規の運賃とともに、その二倍の額を過料として請求する、という規定になっている。

キセル乗車は実際に鉄道を利用しているので、当然対価としての金額を払うべきであるし、そこに不正を行なった場合には罰則があるのも当然であろう。


しかしながら、NHKの受信料は「TV放送」を受信できる受信機を設置すれば、NHKを見ると見ないにかかわらず支払い義務が生じる。スクランブル放送などの技術がなかった放送法成立当時(1950年)であれば、それもやむなしであるが、衛星放送やケーブルテレビのうちある程度のものはスクランブル化されており、お金を払って契約しなければ見れなくなっている。

以前から、NHK放送もスクランブル化して、受診料を払わなければ見れない、緊急放送の場合はスクランブル化を外して放送する、という方式で、受益者負担という形で受信料を集めれば、という話は出ているが、それを真剣に議論している形跡はない。


そのような状態で、「受信料未払いなら、受信料の二倍の過料」なんて馬鹿げている。もちろんこれまでも、NHKで開発された放送技術が、TV放送の質の向上に大きな役割を果たしているのは承知の上だが、あまりにも理不尽な決定ではなかろうか、と思われる。「キセル乗車」の過料とは本質的に異なっている。


NHKが変な理屈で受信料を取ろうとするから、政治の世界にもおかしなことが起こってくるわけである。なぜ外国に拠点を置き、日本の国会にも出ない(出れない?)人物が国会議員となって、各種のお金を受け取ることになるのだろうか??そのような人を議員とするべく動いた党の在り方はいかがなものだろうか?しかし、その党の(名目上の)存在理由は、「受信料の回収」に専念し、受信料支払者の適正化、受信料そのものの適正化を行なわないNHKにあるのではないか、と思う。


NHKの放送内容の質も以前に比べて低下しているように思うのは気のせいか?子供のころは、明らかに民放のノリとNHKとでは異なっていたように思われるが、最近は多くの番組が、民放のバラエティ番組と似たようなノリになってきているように思われてならない。

視聴率にこだわらないのがNHKの良いところなのだから、「公共放送」と名乗る以上はぜひ、硬派で考えさせられる番組を増やしてほしいのだが。


NHKもいい加減、放送のスクランブル化を行ない、「見る人」だけがお金を払うシステムにしてはどうか。あるいは国営化(こうなると「国営放送」と言わざるを得ないだろう)して、財務を透明化し、「受信料」ではなく国からの資金を基にして、企業体を運営してはどうだろうか?


時代遅れの「放送法」に守られて、NHKそのものが変な方向に進んでいるように感じているのは私だけだろうか??

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