第19話 魔法力アップ

「おはよう。早起きだね」


 ラプラスが目覚めて言った。


「うん。本を読みたくて」


「面白い本はあった?」


 ピコも起き上がって聞いた。


「私は知らないことがたくさんあるから、どれも面白かったよ」


「私は本はあまり好きじゃないけど、面接官の仕事が退屈だからたまに読んでいたよ。『魔物全集』とか」


「だから魔物に詳しいんだね」


「本の内容はあまり覚えていないけどね」


「その本も図書館にある?」


「あると思うよ」


「今度借りてみようかな」


 ダザイはワクワクして言った。


 この世界のことをもっとたくさん知りたかった。


「さて今日もギルドに行きますか」


 ラプラスが張り切って言った。


「そうだね」


 ピコが頷いた。


「今日は魔法力が上がるような仕事がいいな」


 ダザイは鼻息を荒くした。


「昨日のトリケラシャークも魔物だよ。だから倒したダザイちゃんは魔法力が上がっていると思うよ」とラプラスが言った。


 ダザイは慌てて自分のパスポートを見た。すると魔法力が1290になっていた。


「1290に上がったよ」


 ダザイは喜んで飛び跳ねた。


「トリケラシャークを一匹倒すと魔法力が10ポイント上がるということか。最初の一匹はピコちゃんが倒したからね」とラプラスが言った。


「私も2510に上がっている」


 ピコも嬉しそうに言った。


「でもダザイちゃんは容器屋の仕事もしないとな…」とラプラスは悩ましげな表情を浮かべた。


「容器屋なんて、いくら頑張っても魔法力は上がらないよ」


 ダザイはふくれた。


「ある程度は働かないと転職できないんだよ。そうしないとコロコロ職を変える奴が出て来るから」


「魔法使いにはどうやってなるの?」


「いくつか方法はあるけど、やっぱりベルリオーズ魔法学校に合格するのが一番だな」


「三人そろって合格したいね」とピコが言った。


「とりあえずギルドに行ってみるか」


 ラプラスが出かける支度をしながら言った。

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