第11話 鬼特訓再開!

 ◇◇◇◇◇


 今日も清々しい朝だ。

 人生をリスタートしてからまだ3日目だが、なんと素晴らしい世界なのか。

 

リオ:「リンドウ!今日も西の森に行く?」


リンドウ:「そうね。リオが普通に戦闘出来る様になるまでは、特訓は続けるわよ。」


リオ:「うん。ありがとう。」


 リオとリンドウは、西の森に行くために街の門を出た。



 ◇◇◇◇◇



リンドウ:「今日は、移動にシルバーウルフに乗って行きましょうか。時間短縮になるからね。」


リオ:「うん。わかった。」


 カードを使用してシルバーウルフを召喚した。


 ボン!


リオ:「おー!大きいね。」


 騎乗用というだけあってすごく大きい。

 2人なら余裕で乗れる大きさだ。

 

リオ:「こんにちは!僕はリオ。それとリンドウね。よろしくね。」


ウルフ:「ワオ!」


 すごく賢そうな顔をしてる。

 僕のいうこともわかってるみたいだ。


リオ:「じゃあ、名前をつけてもいい?」


ウルフ:「ワオ!」


リオ:「カッコいい名前がいい?」


ウルフ:「ワオ!」


リオ:「そっか。うーん。どうしようかな?

 じゃあ、ゼータはどう?」


ウルフ:「ワオ!」


リオ:「いいんだね?

 じゃあ、ゼータ!乗せてくれる?」


ゼータ:「ワオ!」


リオ:「ありがとう!これ、エサ。食べて!」


ゼータ:「ワオ!」


 ゼータがエサを食べ終わってから背に乗せてもらった。

 すごい銀色の毛並みがふわふわしてて乗り心地抜群だ。


リンドウ:「ゼータ。私も乗っていい?」


ゼータ:「ワオ!」


 リンドウも僕の後ろに乗った。


リオ:「じゃあ、西の森に行くから、あっちに進んで!」


ゼータ:「ワオ!」


リオ:「わー!ゼータ、すごい速い!これならすぐに着くね。」


 すごく速く景色が流れる。


 今日はあっという間に西の森に到着した。


リンドウ:「ここからは、降りて行きましょう。」


リオ:「うん。わかった!」


 ゼータから降りてみんなで森の中に入っていく。


リオ:「ゼータ!僕が魔物と戦うから見てるんだよ。危ないから戦闘に加わらないようにね。」


ゼータ:「ワオ!」


リンドウ:「ふふふ。リオも気をつけるのよ。」


 この辺りはスライムかゴブリンがいるらしいけど、まずはスライムがいいな。

 ゴブリンはちょっとトラウマがあるから。


リンドウ:「リオ。いたわよ。スライムが3匹ね。

 ちょうどいいわ。見本を見せるから見てるのよ。」


 リンドウは普段よりゆっくり近づいて、刀で斬りつけた。僕の見えるようにゆっくりと。


リンドウ:「どう。簡単でしょ。近づくタイミングで相手の動きをよく見て、初動を起こすのよ。

 相手が動く前に振り下ろして、素早く戻すの。その間も目を離しちゃダメよ。」


リオ:「うん。わかった。」


 リオはゆっくりとスライムに近づく。

 そして飛び込むタイミングで剣を振り上げて素早く振り下ろした。そして素早く戻る。


リオ:「やったー!」


ゼータ:「ワオ!」


リンドウ:「いいわよ。もう1匹お願い。」


 リオはもう1匹のスライムも同じように撃破!昨日とは明らかに動きが違う。

 

リオ:「やったー!」


ゼータ:「ワオ!」


リンドウ:「ふふふ。いいわね。この感じだとスライムは大丈夫そうね。じゃあ、スライムは全部リオに任せるからよろしくね。復習が大事なのよ。」


リオ:「うん。復習だね。」



 それから、リオは近くにいるスライムをどんどん討伐していった。いつまでも続けている。


 復習の成果か、リオの討伐スピードも徐々に上がっていって、スライムの動きには充分慣れてきたみたいだ。


 豆を大量に食べてステータスが上がっているので、その効果が大きいと思われるが、戦闘は何があるかわからない。実践を積み重ねることが大事で覚えることは多い。



リンドウ:「リオ!そろそろ昼にしましょうか?

 このままだとずっとやってそうだから。」


リオ:「あ!そうですね。ちょっと夢中になっちゃって。へへへ。」


リンドウ:「でも、そういうところはいいわよ。実践は大事だからね。」


 昼までにスライムだけだけど、結構な数を狩ったと思う。

 都度、リンドウから、ここはこうした方がいいとか指導が入るので、戦闘に関してすごく進歩しているような気がする。


 少し開けた場所まで戻ってヌルメ亭のお弁当を食べている。ゼータにはエサを多めにあげた。たくさん持ってるので大丈夫。


 昼からは少し奥に入ってゴブリンを探してみることになった。

 戦闘方法が若干変わるので、それもやってみよう!ということで。

 何事も経験である。



リンドウ:「リオ!いたわよ。ゴブリンが3匹いるでしょ?見た感じ怖い?」


リオ:「怖いけど、大丈夫です!」


リンドウ:「そう。なら、ゴブリンは魔法が効くから、織り交ぜていくわよ。剣に関してはさっきと同じでいいからね。魔法をゴブリンに当ててから攻撃しなさい。」


リオ:「はい!」


 ファイアボール!


ゴブリン:「ウギ?」


 リオのファイアボールは明後日の方向に飛んでいった。


リンドウ:「気づかれたわね。フォローするから何回もやってみて!」


 ファイアボール!

 ファイアボール!

 ファイアボール!


 リオの魔法はことごとく当たってない。

 コントロールが出来てない。


リンドウ:「リオ!ゴブリンの攻撃を躱して!」


 ゴブリンの棍棒攻撃を躱す!


リンドウ:「いいわよ。躱したタイミングで魔法を撃ってみて!」


リオ:「はい!」


 ゴブリンの攻撃を躱して至近距離で魔法を撃った。


 ファイアボール!


 バフ!


ゴブリン:「ウギャー!」


 初めて魔法が当たったのだが、一撃でゴブリンが消滅した。


リオ:「あれ?一撃?」


リンドウ:「リオ!次来てるわよ!」


 ファイアボール!


 バフ!


ゴブリン:「ウギャー!」


 ファイアボール!


 バフ!


ゴブリン:「ウギャー!」


 リオはファイアボールのみでゴブリン3匹を討伐することに成功!


リオ:「やったー!」


ゼータ:「ワオ!」


リンドウ:「リオ……。もうちょっと特訓が必要ね。」


リオ:「…はい。」


ゼータ:「…ワオ。」


 思ったよりリオの魔法の威力が大きかったので、一撃で討伐可能だったのは嬉しい誤算だったが、魔法の扱いがまだ未熟なため、危なっかしい戦闘になってしまった。



 それからまた、リオはゴブリンたちの戦闘でリンドウ指導の鬼特訓が始まった。


 魔法力は有限なので、魔法と剣と両方による戦闘特訓である。

 もう、大丈夫と感じたのか、リンドウは戦闘に参加せず、指導のみに徹している。

 リオはたまにダメージを受けているが、それにも手を貸さない徹底ぶり。

 ただし、魔法に関してはリンドウは使えないので、自分で覚えるしかない。


リンドウ:「リオ!攻撃と防御を同時に!」


リオ:「はい!」


リンドウ:「回り込まれてるわよ!位置取りに注意して!全体を俯瞰できる位置に!」


リオ:「はい!」


リンドウ:「そこは魔法と剣を使い分けて!」


リオ:「はい!」



リオ:「うわー!」


リンドウ:「次来るわよ!すぐに起きて構えて!」


リオ:「はい!」


リンドウ:「そこは横から攻撃!」


リオ:「はい!」



 ◇◇◇◇◇



リンドウ:「リオ!どう?」


リオ:「キツイです。」


リンドウ:「ふふふ。休憩する?」


リオ:「いえ。大丈夫です!」


リンドウ:「じゃあ、次行くわよ。」


リオ:「はい!」


 まさに鬼特訓!優しくそして厳しく。

 リオはキツくても根を上げない。

 

 今日も日が落ちかける前まで鬼特訓は続いた。その間、リオのレベルが6まで上がっていた。冒険者らしくなって参りました!


 ステータスはこちら。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 リオ・ルナベル 13歳

 レベル:6

 最大生命力:136

 最大魔法力:144

 戦 闘 力:100

 防 御 力:106

 瞬 発 力:72

 〈スキル〉

  ・剣術系統

   スラッシュLV1

  ・火魔法系統

   ファイアボールLV1

  ・水魔法系統

   ウォーターボールLV1

  ・光魔法系統

   ヒールLV1

  ・耐性系統

   物理耐性LV3

   魔法耐性LV1

   精神耐性LV4

   毒物耐性LV1

 〈固有スキル〉

  マイ・ガチャ

 〈加護〉

  女神ナスヴィーの使徒

 〈従者〉

  リンドウ・ササキ〈サムライ〉

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



リンドウ:「リオ!今日はそろそろ終了よ。よく頑張ったわね!」


リオ:「はい!キツかったけど、気持ちいいです!

 なんか、強くなった気がします。」


リンドウ:「そうね。でも、まだまだよ。」


リオ:「はい!

 ゼータ!街に戻るから乗せて!」


ゼータ:「ワオ!」


 ◇◇◇◇◇



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