第57話 討伐作戦
作戦は上手くハマり、始まって10分位で既に30体は倒せたと思う。多分狙撃手は全て片付いているようで、今となっては全然遠隔攻撃が飛んできていない。
後衛も魔法で後ろの方を吹き飛ばして、敵の前線の孤立を狙う。そしてアタッカーの戦闘をサポートする。
そんなこんなで今、俺達は敵約50体と睨み合っている所だ。ここからは俺のF-バーストとランス系の魔法もどんどん撃っていく事になっている。ここ最近の探索で賢さが65を超え、このランクの魔法は4/4になっている。
1班のリーダーのアキが、俺に合図を送ってくる。俺は頷き敵のど真ん中にF-バーストを2発同時に撃つ。これは俺にしか出来ない芸当だ。
そしてまだ埃が晴れる前に手前をフリーズで足止めしてからまたF-バースト。他の後衛も撃ち始め、敵も突撃してくるのでここからは総力戦だ。それでも後30体くらいか?俺も剣を抜いて隠密を使いながら斬り込んでいく。
実は先程からヤバイ気配を少し先の家からずっと感じているのだ。これはあの時のヘルハウンドボスと同じ気配を感じる。しかもそれが3体。これは結構ヤバイかもしれない。
多分犬より知能のあるコチラの亀人間の方が危険度は高いのは必然である。そしてそいつ等が遂に動き出した。
俺はまずサトに合図を送り、ボスが動いたことを知らせる。俺も先手でランス魔法を撃つ為にウチのタンクのキムを呼ぶ。なんせ守って貰わないと安心して魔法を撃てないからな。
建物から出てきたボスたちは、今までの亀人間達のようなツルリとしているわけではなく、何かゴツゴツして尖っている。カミツキガメの様なマタマタの様な感じだ。
そして手に持っている武器は1m位のトゲトゲの鉄球の付いた棍を二刀持ちしている。
あんなので殴られたら一撃で死んでしまうな。俺はキムに強化を掛けてから、3体のボスに対してダストランスをそれぞれに御見舞する。
後ろの左側のボスには直撃したのだが、先頭と右側には武器で撃ち落とされてしまった。え?そんな事できるの?
そして直撃した1体はかなりのダメージを与えられている。そこへ強烈な弓矢が手負いのボスの頭に3本刺さる。そして魔石になった。これで1体。
残りの2体にライトニングランスを2本ずつ撃つ。すると1本を撃ち落とそうとするが、雷には実態がない。なので2本とも直撃し感電している。マジでこの魔法があって良かった。
そこへアタッカーが飛び出してトドメを刺す。これで討伐完了だ。7チーム35名でこの難易度だ。五ツ星のチームは5人でこれを討伐したのか?まじでイカれてるよ…。どれ程強いんだよ。
討伐が終わり、皆で魔石と素材を集めながらチェストを探す。ボスがいた家が怪しいのでそちらに行き家の中を漁るとやはり有った。銀のチェストだ。
皆が集まってから1班のリーダーのアキが空ける。そこには例の羊皮紙が入っていた。こんな図でホントに分かるのか?と思えるほど図の一部と色々な数値が書いてある。
もちろんこれはあくまでも一部で、何枚か集めて始めて設計図になるのだ。あと何枚有るのか、それは俺にはわからない。
チェストには他にも初めて見る薬品と、魔石武器の長剣。長剣はこれで2本目か?そして防具のガントレットにパッシブスキルの「魔攻中アップ」が入っていた。このガントレットは魔石防具ではないので、夢のロケットパンチは持ち越しとなった。
遂に魔攻中アップが直接出るようになったか。
俺の予想だと賢さ50で中アップに格上げされると読んでいる。なのでここら辺の敵の推奨能力がその辺りに設定されているのだろう。
そして謎の液体。薄っすらと虹のように7色なのだ。これは絶対に普通ではない。そろそろ鑑定スキルが欲しい所だ。でも俺の予想だとこのカラーは全能力が上がるのだと思う。
そしてボスからも素材の甲羅の他に例のトゲトゲ付きの棍棒?が2本とスキル「鉄壁」「棒術」×2が落ちていた。棍棒は俺らの能力なら余裕で振り回せるのだが…。見た目がなぁ。でもこれを二刀流で振り回したら凄い事になりそうなんだけど。先端が重いから遠心力も加えやすいしな。
でもこれなら亀の甲羅も一撃で砕けるのではないか?丁度棒術が2冊出てることだしな。そうなると今後のこの集落の攻略も楽になるな。誰か使わんの?ん?俺は要らんよ?
そして通常の亀人間からもスキルブックが出まくりだ。隠密や狙い撃ち、不意打ちの他にも色々とアクティブスキルが大量に出ている。身体強化や二刀流も出ていた。そりゃあこのランクの敵を80体倒したのだ。出るよな。
ただ魔法のスクロールが1つも落ちていない。ここの集落に後衛の敵が居なかったからか?今まではどんな敵からも魔法スクロールが出てたのになあ。まぁ考えてもわからないな。
そしてこれからリーダーが集まり分配が始まる。魔攻アップは何処の班に行くのだ?世界が変わるぞ?
ウチの班はどうやらボスの「鉄壁」と「不意打ち」そして棒術を貰えた様だ。これでキムの防御力は飛躍的に上がりそうだ。そして隠密持ちの俺が不意打ちを使うことになった。
え?いいの?この隠密と不意打ちは相性がよい。というかセットと言ったほうが良いくらいだ。なので俺に使えと言っているのだが。俺は段々と忍者に近づいている気がするな。どうせならクナイの二刀が良いな。
でも実は俺はどちらかというと棒術であの棍棒を振ってみたかったのだけどな。いつかチャンスはあるかな。棒術はタケが使う事になった。
そして魔攻アップは3班の後衛のジュンが使うことになったようだ。折角だからどれ程威力が上がるか検証しよう。
俺は使う前に賢さの数値を聞くとどうやら51のようだ。そしてまずはフレイムランスを撃って貰うと1.5m程の騎槍が出現する。
まだ能力の変化はなし。よしよし。そしてスキルブックを使ってもらいまたフレイムランス。すると今度は2.3m程。中アップは1.5倍になるのだな。結構凄いな。
ジュンもこれからは魔法を使うのが楽しくなりすぎて賢さがバンバン上がる事でしょう。
そんなで今日は戻る事になった。甲羅が大量に出たので一人2個づつ持って帰ることにする。途中タケに例の棍棒を振ってもらうとこんなバランスの悪い武器なのに凄く動きが洗練された。
今後この棍棒を使ったほうが火力アップに繋がると説得するのだが、嫌がられてしまった…。なら棒術を俺によこせ!とは言わないよ。
棒術なんてまた出ると思うし、これからは毎日通うことになるのだ。すぐに手に入りそうだ。そう言えばそろそろあの魔法専用の杖が探索者に払い下げられるのではないかな?
そっちも楽しみだな。
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