第3話 初登校!今のところ異常なし!
ジリリリリ!
目覚まし時計が朝を知らせ、なったと同時に止める。
メンタルがかなり削られた休日が終わり、いつも通りの日常が帰って……来たら心も休まったんですけどね。
澪さんがお弁当を作ってくれることになり、これまでよりも2時間程長く睡眠が取れるようになった。
のはいいんだけど……
「あのー、晴音?どうして俺の部屋をドアの間から覗いているのかな?」
「!……いや、その、お兄ちゃん、疲れてたからちゃんと寝れてたかなって思って」
優しい!でも疲れてる原因は何と聞かれたら君と澪さんなんだよなぁ〜。これは黙っておこう。うん。
「心配してくれてのか。ありがとう」
「ううん。多分お兄ちゃんが疲れてるのって私たちのせいでしょ?だから大丈夫かなって」
……めちゃめちゃバレてた。すっごいピンポイントでわかってるじゃん。まあいいや。
「晴音。とりあえずご飯食べに行こう」
「うん」
そう言うと晴音はてててと可愛らしい足音を立ててリビングに向かっていった。
「休日挟んだのもあって、結構慣れてくれたかな」
きっと最初は怖かったりしただろう。新しい家に知らない人と住むなんて俺だったらすぐに引きこもったりしたと思う。
しかし、そうならなかった晴音はすごい。きっと俺より強い。
「…俺も早くリビングに行くか」
少し心に霧が掛かったような感じがしたのに気が付かない振りをして、少し駆け足でリビングに向かった。
「蒼くんおはよう。よく眠れたかしら?」
「おはようございます澪さん。ちゃんと眠れました。お弁当作って貰ってありがとうございます」
「いいのよ〜。やっぱり作ってあげたくなるもの〜」
「父さんもおはよう」
「おお。蒼おはよう。いやぁ、蒼におはようを言われるのは久しぶりだな」
「俺が早めに起きるし、先に行くもんな」
「これからは、澪さんが作ってくれることになったんだろ?蒼もしっかり休めよ」
「うん。ありがとう父さん」
「よし。早めに食べちゃうか」
「うん。いただきます」
今日の朝ごはんは目玉焼きにベーコン、玉子焼きなどまさに朝ごはんといった感じのものだ。
…昨日も一昨日も思ったけどマジで美味しい。店開いた方がいいんじゃないか?
ものの数分で食べ終わり、学校に行く準備をする。
うちの学校は普通に制服なので、シャツをきた後にブレザーを着る。
そして顔を洗い歯を磨くいた。その後、多少髪をとかすために洗面台に行くと、先に髪をとかしている晴音がいた。
「さっきも言ったけど、おはよう晴音」
「おはようお兄ちゃん。ちょっとだけ待ってね」
……髪が長いと大変だなー。と思っていると、晴音が「んーんー」と唸り始めた。
「どうした?」
「えっと、ギリギリ手が届かなくて」
「あぁ、長いもんな。貸してみ。俺がやるよ」
「いいの?ありがとうお兄ちゃん」
晴音から渡されたクシを使って髪を丁寧にとかしていく。
「ほんとに綺麗だよなー」
「ふぇ!?」
……晴音さん。今の声なんすか?
「クシすごい簡単に通るし、すべすべしてるから」
「そうかな?えへへ」
撫でてと言わんばかりに頭をグリグリしてくる。
やばい!俺の理性が!
「晴音終わったぞ」
「ありがとう!」
「おう」
羞恥やらなんやらで赤くなった顔を隠すように返事をしたが、鏡を通してその顔が見られていたことに蒼は気が付かなかった。
普通の休日だから2日しか休んでないのに、すごい久しぶりに登校している気がする。
「晴音。1人で帰れるようになるためにも、早めに道は覚えような」
「うん。でも今日はいっしょに帰ってもいい?」
「もちろん」
「ありがとうお兄ちゃん!」
はいかわいい。……マジでこの笑顔見たらみんな悶えるだろ。生きてくれよ後輩たち。
学校に到着し、晴音を職員室に連れていった。学校側にはもう連絡はしてあるそうなので担任にあとは任せよう。
「晴音。最初は緊張すると思うけど、きっとみんな優しくしてくれるから、仲良くするんだぞ。それと、迷惑かけたくないとか思って人に聞かないのは無しな」
「うん。ありがとうお兄ちゃん!」
「じゃあ田中先生。あとはよろしくお願いします」
「はい、如月君。任せてください」
この人は、
「それにしても、如月君。すっかりお兄さんですね」
「まだまだですよ。もっとしっかり者にならないと。それに、ちゃんと晴音のことを守れないといけないですから」
……あれ?なんか今俺からプロポーズみたいなセリフが飛び出した気がしたんだけど?
「晴音さん、よかったですね彼がお兄さんで」
「はい!」
やべぇ、目の前でなんかすごい恥ずかしい話がされてる。
まあ、悪い気は全くしないのでいいとしよう。
「あっ、そうだ。晴音。俺のクラスは2年7組だから困ったら来てもいいぞ」
「うん」
「……すぐに来たりするなよ?しっかりみんなと仲良くして、出来れば俺のところ来ない方がいいんだからな」
「うん。頑張る」
「よし。頑張ってこい!」
こうして晴音の新しい学校生活が始まった。
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