第4話 6月

「最近雨ばっかだよなー。いい加減、青空が見たいよ。

 え? 『お前って、発想が体育会系ってよりも近所の子どもってレベルだよな?』だって?

 ちょっとそれ酷くないかな? ボクは晴れたときにパーッと走るのが気持ち良いって思うだけなの! え、それが子供っぽい?

 けどさ、こんなジメジメした天気よりも晴れたときに歩いたら気持ち良くない? ……わかる? だろ~?

 あ~、本当にはやく晴れろ~! 晴れろ~! ……うん、自分でも両手を空にあげながらはちょっとバカっぽいって思った。

 でも、雨って本当にゆーうつだよ――うひゃ!?」

(え? な、何だよ急に抱きしめてき――)

「うわぷっ!? な、なんだよいったい? って、速度落とさない車が走ってきたんだ……危ないなー。っていうか、ずぶ濡れだよー……ちくしょー。

 え? とりあえず、濡れた制服のままだと風邪ひく? 大丈夫だって、このまま家に帰れば――ふぇくちっ!」


「だから別に良いって言ってんのにさー。ったく、わかったよ。シャワー浴びればいいんだろ?

 ん? な、なんだよ、突然大声出すなって……って、なんで脱ぐ? いやだってさ、シャワー浴びるから脱ぐに決まってるだろ? ああ、下着見えて恥ずかしいのか? 別にかまわ――わ、わかった。わかったって、そんなに怒鳴るなよ」


「……あー、あったかい。冷えてたんだな、からだ。

 おー、着替えあんがと。てか、お前は大丈夫なのか? ボクも冷えてたんだから、お前も冷えてるだろ?

 あ、何なら一緒に入るか? ――冗談だよ冗談。そんな怒るなって――って、うわっ!? あいててて……、床に石鹸落ちてるって、どんなギャグマンガだよ――え? え?」

(え、ちょっと待ってちょっと待って。転んだボクが悪いけどさ、はだか……見られちゃった。あいつにはだか……え? 何でボク、こんなに恥ずかしいんだよ?)


「ボク、男なのに……なんで?」

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