【報告書】
——来栖湊(一五)に対する聞き取り
——今回の事件における動機は、「見えないものを見たいから」。
——自殺した多々良優とは恋仲にあり、校内でも周囲から認知されている間柄。
——来栖湊の話によれば、多々良優が以前から「力を使う」と話していたため、それを鵜呑みにし、事件を起こしたとのこと。
——今回の事件は、多々良優が本当に力を使ったように見せるための≪演出≫だった。
——受け答えは明瞭で、精神に異常は見られないが、所々言動につかみどころのなさを覚える。
——幼少期、彼女の父親は横領で逮捕。母親は薬物使用で入院中。一時一緒に暮らしていた叔父からは強姦被害に会っている。
——そう言った家庭環境によって、歪な人格が形成されたものと推測。
——拳銃については拾ったものだと証言。真偽は不明。
——更に彼女は、多々良優が自殺した際の銃弾は、存在していないものだったと主張している。
——来栖湊を撃った時点で、残弾数は〇だったにも関わらず発砲した、と。
——ただしそれは、彼女の数え間違いだと思われる。
——教師の殺害から確認されている発砲は一三発。
——彼女から押収した『S&W M&P9 シールド』のマガジンは七発と八発の二種類であり、一度マガジンを交換したようだが、その場合でも最低、一四発は使用可能。
——使用済みのマガジンと銃弾は見つかっていないが、調査は不要とする。
——来栖湊の容態は、内臓の損傷もあり未だ動ける状態ではなく、しばらくの入院生活となるだろう。
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