第32話

「貴様!訓練用の剣だと?!私を馬鹿にしているのか!」


「いいから、もういいから、その可愛いい口を閉じろよ」

 何を言っても通じ無いなら、殴ってでも押し通るだけだ。


「一対一だ、負けたら大人しく教会に帰れ」


 オレはそれだけ言うと銅の剣を強く握り、意識を切った。


 (目の前のヤツは敵だ・倒すべき敵、ただそれだけ解っていればいい)


 早さは向こう、素の耐久力ならこっち。


 今まで重いハサミを使っていたお陰で今は、剣が軽い。


ブンッ!


 目の前の敵を打ち、拳を受け流し、剣を叩き付け、身体を蹴って顔を殴る。


 いま必要なのは、町の外でスライム・バッタ・コウモリ芋虫相手にやってきた、感情の必要のない反射運動のような攻撃、目に写った殴れる物をただ殴るだけでいい。


オレは顔を殴られても剣を振り抜き、胴を蹴られても服を掴んで殴り飛ばす。

防御無視で攻撃は筋肉で耐えて殴る。


[[中回復]]二人の回復が同時に起こり、また殴り合う。


 足を止めて踏ん張り、攻撃の来た方に向かって最適な攻撃方を打つ。


 跳び蹴り!

 ヤツの顔面を狙った蹴りを両手持ちの剣で殴り返し、倒れたヤツの体に馬乗りになって腹を柄で殴った。


「ガフッ!」

 息を吐いたヤツの目はまだ死んでいない、まだ続けるのか?


 ヤツはオレの体の下でにらみ、再攻撃のために柄を上げた瞬間、下から殴って来やがった。


 油断したところに下からの拳を顔に受け、頭が揺れる。

 その隙にヤツはオレを押し倒して立ち上がった。


[中回復]・・[中回復]


「ハァハァハァ、無茶苦茶だ、なんだよ。

 可愛いいとか何とか言いながら、殴るとか。お前は一体なんなんだよ!」


ハァハァハァ

 「知るか、そんなの自分で確かめろ・・」 


 オレがなんなのか?勇者とか言われた事のあるただのオレだ、それ以外は知らない。


・・・・・


 お互い限界が近い。

 魔力も体力も、怪我も打撲も、胴の剣を握る握力も、手の平に感じるマメが潰れた痛みも限界だ。


「死ねぇ偽勇者!」

 ヤツは最後の力を振り絞り、必中の拳が勇者の胸を打ち貫いた。


ゴホッ!・・・アバラが数本ボキボキいやな悲鳴をあげる。

「負けて・・たまるか・!」

 まだオレは立っている、次はオレの攻撃の番だ・・


 ただ思いっ切り、目の前の頭に・・頭に・・

「くっ、畜生!」


振り下ろした剣は一瞬遅れ、ヤツの肩を打ち身体を滑りそのまま砂に突き刺さった。


(死んでたまるか、捕まってたまるか。目を開け、武器が落ちたなら拾え。

倒れるな、手で膝を支えろ。

 歯を食いしばれ、次ぎの攻撃が最後だ。

 前を向き、ただ耐えろ!耐えるんだオレ!)


・・・グラリ、先に倒れたのは武闘僧だった。

 お互いもう魔力は残っていない。


 オレの胸に頭突きのようにして倒れた武闘僧の頭を、おれは何とか動く手で押し退けて・・・それが限界だった。


ドサァァ・・次ぎの瞬間にはオレも砂を噛む。


「ぐっ・・重い」


オレの下敷きになったヤツが声を上げた。どおりで柔らかいと思った。


・・・そのままでは何なので限界の体を動かし、何とかひっくり変えるように位置を変えた。

 すると、やつも砂に漬けた顔を何とかひっくり返って空を向く。


「なんなんだよ・・お前、ホントに偽勇者なのか?なんでそんなに耐えられるんだよ。

 なんで逃げ出さないんだ、私は弱いか?

 お前が雑魚だと思うほど・・・逃げ出す必要も感じ無いほど弱いのか?」


 そんな訳あるか、もう身体は限界で、胸もお前の最後の頭突きで息をする度に激痛が走っている。


「お前が弱いってなら、あなんでオレはボコボコにされて倒れているんだよ」


 十分強い、ただオレはお前に捕まるわけにはいかない。

 殺されるから、死にたく無いから。


「・・私は勇者にならないと駄目なんだ、それなのになんで選ばれたのがお前なんだ。

 私の何が足らないんだ?どうして神は私じゃなくお前を選んだんだ」


 くやしさなのか、それとも痛みか、少し声が揺れて聞こえる。


(こいつ、泣いているのか?)


「おい、偽勇者、私の髪をどう思う?黒いだろ」


「・・ああ、黒いな、それに目も黒い。そうだな、砂漠の夜空のように綺麗な黒だ」

 上を向いて寝転がるオレ達の上にはまだ砂漠の夜空が広がっている、だからそう思ったんだ。


 砂漠の夜空は、町の明かりを反射する事も無い。

 ひとの往来も夜には消えて、巻き上がる砂埃も無いから空気が澄んでいて、

 空気も冷たく空と星が高く深く透明な黒だ。


「・・バカ者、そんな事を・・聞いているのではない。ふざけるのはやめろ。


・・ゴホンッ、話を続けるぞ、この黒髪も目も、拳聖椰子与様から受け継いだ物だ」


子孫だから、その声には少し寂しそうでもあり、感情が読めない。


「そうか、拳聖は美人だったんだな」

 椰子与って言うくらいだから、女の人なんだろ?


 てっきりゴリラとか大ザルみたいなヤツだと思ってた。


「ッ!バカ者!・・何度も話の腰を折るな!バカ!

 ・・いいか、この目この髪は元々砂漠の民には無い物だ、そして名も。

 元々は船でこの地に流れ着いたと、私は母に聞かされた」


 「異邦人ってやつか、確かにあんまり見ない感じだな」


 確か何かの理由で住む土地を離れ、渡り歩く人々と聞いた事がある。


 その中には渡り歩いたその土地に定住し、その土地の血と混わり、そこを新たな住処として生きる人々もいるらしいって聞いた。


「椰子与様は船でこの砂漠の地に流れ着き、自ら産まれた土地に伝わる拳術で魔物と戦い、魔物の支配するこの砂漠を、ヒトの住む土地に変えた御方だ。

 海との交易・砂漠のオアシスとの交易が出来る地に変えた、だからこそ拳聖と呼ばれているのだ。」


 ただ強いだけでは、長く人々には語り継がれる事は無い。

 強いだけでは体力が衰え弱り・敗北者となった時、その名前は消えて忘れ去られる、偉業をなしてこそ名は残るのだと。


「尊敬すべき先祖、敬うべき拳聖、私はそう聞かされて育った。

 ・・だが私が世界の為に勇者の候補として集められたその場所で、聞いた事は違ったのだ。

 この黒髪は東の果てにある島国の物、椰子与は奴隷として砂漠のこの地まで連れてこられ、戦いそして生き残っただけの拳奴。

 私が勇者の候補などおこがましいと、周りのヤツらは言う」


・・・・・


「いくら私が努力し、力を付け、強力な魔物を倒し滅ぼしても。

 

 ヤツ等より強く素早くなっても、この髪や目を見るヤツ等の目は変わらない。

 変わらなかったのだ。


 だから私は先祖の為、拳聖の名誉のために勇者にならなければ成らなかったのだ。


 ヤツらを黙らせ、偽りの歴史を語るヤツ等に拳聖の技と力を示し、魔王を倒し、私の家族が・血族が、奴隷などでは無いと証明するために!」


[異端]


 人間は自分と違う者を恐れ卑下し、排除しようとする生き物だ。

 特に勇者なんて者になろうってヤツ等なら、(コイツは違うだろうけど)


『オレ様が勇者だ、世界を救ってやる』そんな自尊心とプライドの塊だろう。


 そんな中で、黒髪・黒い瞳、そしてあやふやな口伝による経歴。

 周りのヤツ等から見たら格好の餌食だ。

 踏みつけ・追い出し、排除する為の口実には十分だから。



「それなのに・・神が選んだのは、お前みたいなヤツだ・・私では無くてな」


泣いている、くやしさで女の子が泣いている。


『すまなかったな』でもなく『おれのせいじゃ無ぇだろ』でもない。


オレはなんて答えたらいいんだろうか、、、解らない。


「偽勇者を倒し、もう一度新たな神託が降りた時こそ・・そう、私は選ばれたかったんだ。

 でもまだ未熟だった。

 お前なんかと、偽者のお前と引き分けているぐらいの実力では・・まだまだだな、私は」


 悔しそうに拳を握り、顔に当てて泣いている・・ダメだな、子供が泣くのは、良くない事だ。


「・・pー!」


 おれは最後の決め手である、カードを切った。


「あ!ハイ、[中回復]」


 ピョートルが倒れた俺に[中回復]を使う、体の痛みは熱となり・やがて立上がれるようになるまで回復する。


・・・なぁ相棒?いつから[中回復]出来るようになったんだ?


「引き分け?なにを言っているんだお前は?

 どう見てもオレの勝ち・誰が見ても勝者はオレだろ?」


・・・?・・!「キサマ!汚いぞ!」


そうだよ、怒っている方が、よっぽど良い。


 何が汚いんだ。

 俺の相棒は解っていた見たいだが、キミはなにか勘違いをしていたのか?


「こうしてオレは立っている、それでお前は倒れて動けない。これが現実だろ?」


 元々は、[オレ達]とお前の戦いだったはずだろ?


『・・お前は一体いつから、オレ一人と戦っていると錯覚していたんだ?』


 卑怯とか汚いとか、真剣勝負でなにを言っているだよ?


「お前!なんなんだよ!

 それでも勇者か!綺麗とか可愛いとか言ってワタシを惑わし、魔物を連れて戦ったり、勝負の最後で卑怯な手を使うとか!なんなんだ!」


 倒れて動けないくせに、元気なやつだな。


「オレはウソは言ってない、綺麗だと思ったからそう言ったんだ・・後五年くらいしたら周りのヤツ等もわかるさ。

 お前は美人になる、子供の今でも可愛いんだから」


 多分14・5才なんだろ?それでその強さだ。

 後は戦いの経験を積めば、お前の憧れる拳聖と同じくらい、強くて格好いい美人拳士になれるだろう。


・・・「お前、ひょっとして・・・私を馬鹿にしているのか?一体私を何歳だと思っているんだ?」


 なにを怒っているんだ?・・思春期か?ひょっとして・・16歳位か?


「私とお前は・・同じ歳だぞ?」


・・ビキビキビキ、倒れたままにしておいてよかった。

 顔が・顔の血管がライオンのたてがみのように筋を立て、口元と目が三角になって御怒りになって居られる。


 勇者候補・・神託のその時、16才の若者が・・


「いや、女性は若いって言うと、嬉しいとか・・ハハハ」


しまった、間違えた!

 だって、背丈とかオレより小さいし、顔だって幼い感じだし!


「オイ、お前、私はこんな屈辱は始めてだ。

 どうしていいか・・私にも解らない・・この怒り・・こんな・・

 綺麗とか・子供扱いとか・・卑怯な手とか・・感情が、頭がグチャグチャで処理出来ないぞ!

 自分の感情がどうなっているのか・・解らない・・次ぎにキサマに有ったとき、私がどうするのか・・想像も付かない・・」


クッハハハハ・・口を▽に開き笑い声をもらすしている!

だが表情は怒っておられるのだ!。


 恐い・単純に恐い。

 例えるなら・・横に安置された怒りの像、憤怒の顔を作り怒りの熱を放出しながら笑う、怒りの像だ。


 どうしよう・・


・・・(よし、アレしか無い!)


 倒れたまま笑う怒りの像の肩や腕、頭を触る。骨折打撲・火傷裂傷の確認。


「おい!止めろなにをする!・・・・・くすぐったいだろ・・」


 動けないままの体を触られるのが、くすぐったいのか顔を赤くして体をよじる。


(あとは・・道具袋から・・)


「薬草だ、この辺の魔物は強いからな。傷を治せ


 怒る像にはお供え物をする、そして祈る。怒りの炎を鎮めるたまえ・・・


 神罰が恐ければ、御布施をする。人間の出来る事はそのぐらいなのだ。


(怒りを静めたまえ、私をお許したまえ・・)


 髪に着いた砂を払い、顔と額についた汚れを拭く。


(砂漠の流星・・多分この綺麗な黒髪に昔のヤツらも、オレと同じように感じたんだろうな・・流星・・星は夜に砂漠の夜空に瞬き輝く物だからな・・)フキフキ・・



・・目が合った。


「・・おい、偽・・勇者、お前の名前はなんだ?」


 間近で見た少女っぽい女の顔、赤いのは怒っているからか屈辱に振るえているのか解らない。


「勇。そう呼ばれているし、そう名乗っている」後はジョンだな。


「勇者で・・・、勇か?馬鹿にしているのか?」


 少し笑うと、真っ直ぐに向いた黒い瞳にオレの顔が写る。


「勇、お前は私が倒す事に決めた。

 でないと私の中にあるモヤモヤがどうにかなりそうだからな。

 憶えておけ、お前を倒し次ぎの勇者になるのはこの私、アヤメだ」


 アヤメと名乗った武闘少女は真っ直ぐオレを見つめ、多分答えを待っている感じだ。


「なら・・・・オレに勝ちたいならレベルを倍にしてから出直して来い!」ビシッ!


 決った、今のオレ!中々格好いいだろ!。


・・・・「キサマ!・・・こんな屈辱は、本当に・・初めてだ!

・・・許さん・・絶対許さんからな!勇、その首・磨いて待っていろ!」


アヤメが感情の爆発と共に立ち上がり、腹に置いた薬草がコロコロと落ちた。


(やべぇ、立上がった!)


「pー逃げるぞ、走れ!」

 薬草を使って復活されたら、ヤツの足からは逃げられ無い!


 すでに転がり出しているスラヲの上にピョートルが乗って逃げている、なんて早さだ。くそ、[中回復]しただけで、身体が完治したわけじゃないんだからな。足が重いよ!


「拳聖様の装備を完全にして討ち取ってやる!絶対・絶対だ!」


 背中に怒りの叫びが聞こえた、まだ足が動くくらいには回復していないようだ。


「装備に頼る様じゃ、勇者には向いて無いぞ!自分の力で獲りに来い!」

アカンベー


「チッ、クショウ~~~!!!」


 響く声を背後に必死に走った、どうやらヤバイものを目覚めさせてしまったようだと後で後悔。



・・・・・


「勇さん?ひょっとして、勇さんは人間の中では変な方なのですか?

それとも標準?」


 アヤメの声から逃げ切り、町に入ったオレに仲間からの第一声がそれだ。


「標準だと、思うぞ」そう思いたい。


「・・あの『レベルを倍にしてから出直して来い』ってのは、駄目なのでは?」


 そして駄目出しだった。


「いいじゃないか!格好いいだろ?」


 強者の余裕とか、決め台詞的な感じで。


「ぴゅ~~い?」

 スラヲがなんとも微妙な感じの表情と返事を返してくる、駄目なのか?いやいや、魔物的には駄目でも・・駄目なのか?


「彼女、怒り心頭って感じでしたね、[あっ!]って感じたので先に引かせてもらいましたが」


 こいつら、先に走り出していたのはそれか!裏切り者め!


「大体、本当にレベルアップして来たらどうするんですか?

今度こそ殺されてしまいますよ?」


 金属スライムを虐殺とかして、数日で出直してきたら勝てるんですか?だと?


「・・彼女はそんな馬鹿じゃないさ、たかだかレベルを上げただけで出直してきたら、勝てるさ。

 早いだけ・腕力が強いだけ・体力を高めただけなら何とでもなる」


 本当に恐いのは、じっくり実力を付け、技を鍛え、その中で戦闘経験を積んだ[本当のレベルアップ]が恐いんだ。


(ただレベルを上げただけのヤツを転がす方法なんて幾らでもある。

 それこそ、オレも同じ様にレベルアップするとかでもいいんだ。

 そのほかにもレベルに関係無くダメージを負わせる毒とか呪いとか?

・・ああ、レベルを奪う魔物をけしかけるの良いなぁクククッ・・)


「・・勇さん、すごい悪い顔をしてますよ?

 ただでさえ目付きの悪い顔が・・子供に見せられないような極悪人の横顔に・・」


 仲間に酷い事を言われた、スラヲのヤツはこっちを見ようともせずに転がってやがる・・そんなに恐い顔か?オレの顔は。



「まあいい、普通の人間程度のレベルアップなんか大した事は無いよ」


 それこそレベル6百万とかレベル数億の宇宙破壊超魔神とか、デスガイア[死の大地]とか言う、空想世界の化物なら話は別だけどね。


 それに・・・女の子との会話だってな・・


 おれはガキの頃から国に集められ、英才教育を受けさせられていたんだ。

・・その教科に女性の扱いや、格好いい言葉の使い方は無かった。わかるだろ?


 つまり、オレのせいでは無く。教育が悪いのだ。


「もし・・彼女が『本当のレベルアップ』で倍のレベルになって戻って来たらどうすんです?死にますよ?」


 ?まだレベルアップの話か?・・嫌な事を言う、そうだなぁ・・


「土下座して仲間にならせてもらう!

 荷物持ちでもマネージャーでもマッサージ師でもやって連れて行ってもらう!

 そして世界を救う彼女が『本物の勇者です!』って世界中で言って回る事にするぞ!」どうだ?


・・ん?なんだよその渋い顔は、駄目か?


「そうなると・・私達は・・勇者の従者の従者という事になるのでしょうか?」


 そうだな、いいじゃないか?[勇者の従者の従者]って。


 う~~~んって顔とスラヲの????って顔だな。


「勇さんって本当に、人間の中では変な方では無いんですよね?」


 失礼な!本当に普通だ、普通の・どこにでもいる性別・男・成人だ・・よ?おかしいか?


「その・・振り幅が・・格好いい所と・・変な所と・・よく解らない所が・・・


 それに・・女性の服をハサミで切りさいて胸元を見るとかも・・」


 スラヲに乗りながら、申しわけ無さそうに見上げて何を言うかと思えば・・・


「ぴょょょょ・・」スラヲも困ったヤツを見るような目で見上げやがって!


「言い方!それ言い方が悪い!

 名詞とか形容詞の表現が!誰かに聞かれたら駄目なやつ!」


字面とか、受ける印象が悪くなるだろ!誤解を受けるだろ!


「いいかね、2人共。アレは知らなかったんだ、事故、情報の共有不足によるお互い非のあるアクシデントなんだ!」ノーカン!ノーカン!ノーカン!




 「ククク・・」「ピピピ・・」スラヲが飛び跳ね・・ピョートルは肩を振るわせている?笑ってるのか?


「・・お前ら、からかったな!」


 全く、灰色の思春期を送った男の純情を馬鹿にしやがって!

 女性免疫が無くて悪かったな!


 オレの知ってる会話した女なんか、あの女神官と・育ての母親と・・・あの女悪魔ゴモリーと・・その体の持ち主だけなんだよ!


 白い女の人は・・美人だったけど・・笑われただけだし!

しょうがないじゃないか!

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