第14話

 冒険者達との契約の内容は、お嬢様の護衛と[秘物]の引き渡し。

 護衛は屋敷に帰るまでの日数分を支払う、つまりどこからかの妨害がある前提での契約だった。


 当然雇い主であるお嬢様は、日数が無意味にかかるのは喜ばしくない。


 そして自分達の名前を貴族・有力者達に売り出したい冒険者なら、日数も少なく依頼を達成したいだろう。



「だから、コイツに横取りされるのは許せないんだよ!

 コイツがオレらの後から付いて来て宝をかっさらう、そんな危険がある以上おれはコイツを信用しない」


 秘物も手に入れ、お嬢様の護衛も完璧にこなしてこそ名前が売れる、そう考えているリーダーの男はオレを警戒して吠える。


 そんなに心配しなくてもいいのにな、おれは名前を・・存在を隠したいんだから。


「こっちはカネしか興味がない、だから遺跡の外で護衛しているだけでもいいぞ。

 そっちが時間をかけて探索してくれても構わない、その方がオレには安全でさらに報酬が増えるんだろ?」


 おれはとにかくカネが欲しい、そう言う風に見せる必要がある。

 カネにがめつい人間はカネで黙り、カネさえ払えば裏切らない。

 カネで雇う者には、その方が信用される場合もあるんだよ。


「私としては、ジョンさんともっと懇意にしたいのですが・・そうですね。

 私は遺跡の事も良く解らない若輩[じゃくはい]者ですが、遺跡を前に地団駄を踏むのはいけません・・・

 なので、こうしましょう」


 勇者とリーダーは一枚の洋紙に拇印を押した。

 内容は先に秘物を手に入れた者に報酬が支払われる。

 冒険者達が罠を解除した後を勇者がついて来ても、物を先に盗られていたら報酬は無い。手に取ったあとで奪い・争う事があれば、双方に渡す報酬は保留。

 父、ルベリアの前でお互いの主張を言い合い、その上で判断する。


  お互い競争して秘物を見つけて下さい、そんな契約書だった。


「三者とも、お互い意味のある契約か」


ふふふっ「私は無駄な時間を送る事なく、お二人は秘物の取り合いを限定的でも防げる。これで安心して依頼を遂行していただけますよね?」



・・・(この女、どうせオレ達が遺跡で命を落としても、遺跡の危険度を計る生け贄にして次ぎヤツらを用意するつもり。そんな所だよな?)

 そのふところに旅人の翼とか隠して、安全確保はしているんだよな?


「やはり貴方は物を見抜く目を持っているようですね、少し恐いですわ。フフッ」

 細くした目は鋭い、鋭利なナイフのように光って見える。


 お嬢様の微笑みにオレは口角を上げて答える。

 悪人同士にある同調感覚だ。

 なんとなく考えている事がわかる2人は、皮肉に笑いあった。



 有能な手札は必要、だが有能過ぎて切れすぎる頭の持ち主は、指先を切るような事になりかねないそうだろ?

 (あとは、この女が自分をどこまで高位に置いているか、だよな)


 自分ほど賢く尊い者なら、この男でも使いこなせる。

 とか思ってくれたら幸いなんだが。


「おれは言った通り、安全で確実な儲けの方が重要だ。が、欲もある。

 カネはいくらあっても困る事はないからな。拾えるカネは拾う主義だ」


「ゆ・・ジョンさん、それはあまりにも・・」


「装備も宿も安全も、世の中全部カネしだいだ。

 次ぎの仕事を探すにも、カネがあれば安全で楽な仕事を細々と受けるだけで生きていけるだろ?」

 pーの言葉を塞ぐように、おれは彼等に解りやすい理由を答える。


(誰が国王に命狙われているなんて言えるんだ、下手したら通報されるだろ)


・・・そう言えば、ピョートルに自分が勇者だって言っていなかった事に気が付いたが黙っておくか。

 もしそれで魔物の本能で襲ってきたら・・・・・殺すしか・・


「ジョンの言う事は確かだぜ?カネさえあれば、危険を冒してランクを上げる必要も無ぇし・名声だって付いて来る。

 やっぱオレと合うんじゃないか?なぁジョン」

 斥候風の男が笑顔でオレを見る、なんていうか良いヤツっぽい。


「オレは気に食わない、顔を隠しているのも怪し過ぎる。

 賞金首か野盗かもしれねぇし、背中を見せたらザクッ!!なんてシャレになんねぇ」 リーダの男はまだ警戒していた、多分それは仲間を守る責任感と冒険者として名を上げる妨害としてオレを見ているんだ。


(気持ちはわかるけどな)

・・・・「疑うのは勝手だが、そっちが行かないならオレ達が取りに行くだけだ。

 多分雇い主のお嬢様も、ソレを期待しての報酬なんだろう?」


『お前らは競い合えっ、てな』そうだろ?


「私は疑ってなんていませんわよ?命の恩人ですもの。

 ジョン様が夜盗・山賊の人間なら、私はとうに攫われていますもの」

 それに実力も疑ってませわよ。


 最後の言葉を小さく言ったのはリーダーの男を逆撫でしない為か?

 この女、男を転がす術を心得てやがる。


(オレには聞こえるように、向こうには聞こえ無いように、とか。貴族の女ってのは皆こうなのか?)超怖い。


 翌朝早く、リーダーが率いる3人パーティーが遺跡に入って行くのが見えた。

 当然オレは昼過ぎからだ、一度攻略した遺跡なんて一晩もかからないからな。


・・・「あ・どうも、」

 昼前にようやく目覚めた戦士の男が、まだ辛そうな顔で話掛けてきた。

 瀕死からの[回復]なので、体力が戻っていないのかちょっと顔に疲れが見えた。


「あいつ、『自分が助けた』見たいな事をいったんだろ?

 すまねぇな、あいつアシュミ・・パーティーの女戦士なんだが、アイツを狙っててな。

 ・・本人には丸バレしてるかいつも拒否られているんだが・・ハハ」


(それが昨日の無言の返事か、この連中もドロドロしてんなぁ)


「・・ああ、大丈夫だ、気にしてない。

 オレはそっちのパーティー内の事に首を突っ込む気は無いから」


「後な、アシュミも『ありがとう』と伝えてくれって。

 お嬢様の前では言いにくい感じだったからってな。

 お前、お嬢さんにかなり気に入られて・・」


「さて行くか!悪いな、オレ達も遺跡に入るが報酬を独り占めしても怨むなよ?」

 言葉の最後は聞かない事にして、そそくさと荷物をまとめます。


(絶対あの女聞いてるだろうからな、、、ひとに言わせてオレの反応を探るくらい絶対やるタイプだから)

 左右を確認、お嬢はいないな。良し!


(アレに気に入られるだって?とんでもない話だ)

 それに、こうやって話が伝わる事も計算の内だろう。

 それに今あの女の耳に入らなくても、この男に質問して『どうでしたか?』とか探りを入れるだろ。


(あの女、本気で恐いんだよ。なんでそれが解らないんだ?こいつら)


「ハハッ、オレが命の恩人を怨むかよ。

 それに護衛料はきっちりいただくんだ、ただ働きじゃねぇからな。

 命があるだけめっけもの、ってこった」


 オレの警戒をどう捉えたのか、男は屈託なく笑う。この男もいいやつなんだろうか。


(たしか、この男だったよな?最初に人質にしたヤツは・・血が抜けて性格が変ったのか?)


 随分穏やかな・・・ひょっとして最初の事が無ければ、本来の性格がこっちなのか?


(第1印象な・・やっぱり重要だよな、お互いに)


 知らない者同士ならお互い強硬になる、おれが危うく殺していた男だ。

 が、話して知り合えば・・最初のぶつかりが馬鹿みたいだ、殺さなくて良かった、やっぱり話し合い・交渉・相手を良く知るってのは重要なんだ。


 罠から助けたかいはあった。

 助けて後悔するようなヤツなら、不快な気分を引きずったままで探索する事になる所だった。


「ありがとうな」

「それを言うのはオレの方だって、、罠には気をつけろよ」

 男は笑って手振った。


(この男が嫌なヤツだったら、リーダーの男がミスっていても放置してたかもな)

 本当に不思議な感じだ。

 今なら、少しくらいは助けてやってもいいか、そう思えるんだから。


・・・・


「えっと確か、この辺は・・天井からガスか霧だったな」


「ジョンさん?私が罠を解除しなくても?」


「いいんだよ、下手に解除して怪しまれても面倒だ・・というか、人間を舐めるなよ?

 もしスラヲの解除を誰かに見られたら、人間はスライムを奴隷にして罠解除させる程度の事はするぞ?」


 人間のほとんどは、スライムなんか経験値と小銭にしか見えて無いんだ。その上使役して奴隷にするとか、平気でするからな。


[起き上がって仲間にして欲しそうな顔]をしたり・話掛けて仲間にしたりとか、考え無いんだよ・・人間は。


(・・・たしか、延々とスライムを殺し続けた魔女の噂もどこかで聞いたような・・・)


 必要最低限だ、それも周囲を念入りに調べてからスラヲに解除してもらう。それで良い。魔物の有用性・有効利用なんて人間に教える必要は無いんだ。


(・・・先に進んだ気配・・?どんな方法で進んだんだ?)

 慎重にオレ達は進み石床を確認、ヤツらの動きを調べる。


 石壁に小さい切り傷、足の爪先しか残って無い足後。

 跳んだり壁に張り付いたりした跡がある。

 凄いな狩人、罠の発見もあの男がやっているんだろうか。


 強行軍、冒険者達の探索は休憩も少なく歩き続けている感じだ。


・・・・・・・・・・・

「大丈夫かよ、クエルのおっさん青い顔してるんだけど」

 斥候の役目をしていた狩人の青年は、その鋭い観察眼で無口な僧侶の状態を見る。


「大体いつもあんな顔だろ、問題ない。

 魔力が切れたなら、歩きながらでいい。回復しておいてくれ」

 急ぐリーダーは後を歩くクエルに向かって言った。


「・・ああ」


 リーダーの言葉に短く答えた僧侶は、ゆっくりと息をしながら歩く事でなんとか[回復]1回・・二回分の魔力を回復させる。


(チッ遅ぇ、後からアイツが来ているかも知れねぇんだぞ。

 そうなったら宝も報酬もアイツのもんになっちまうんだ、解ってんのかこいつら?)


 リーダのムノフは焦っていた。

 受けた依頼は警護と簡単な探索だった。

 得られる報酬は多く、貴族とのパイプも手に入る計算だった。

 レベルが一番高かったオレ達のパーティーは、集められた他のパーティーもまとめ上げ、ようやく実力に相応しい仕事を手に入れこれからだと言う時に。


 統一した装備で武装した兵隊に追われ、依頼人であるお嬢様を見失った。


 気がつけばオレに惚れさせるはずのお嬢様は、顔を隠すうさん臭い男に興味津々だ。


(もう一人の前衛は首に刃を当てられたくせに、肩を借りるような無様をさらしやがって!

 あれで貸し借り無しにする気か?お前はあの時、殺されていたかも知れないんだぞ!)


「で!どうなんだ!

 その宝箱は!空か?それとも未開封か!」


 斥候をしているウェンが難しい顔をして首を振る。

 

「またかよ!この遺跡は古いくせに今までの宝箱の中は空っぽだ。

 本当に秘物ってのが有るのかよ!」


「空じゃ無い、一応中は入ってそうだが・・どうも罠っぽい、開けない方がいい」


「罠なら解除しろよ、その中に秘物ってのが有るかも知れないんだからな」

 そんな事も解らないのか!お前も結構長くパーティにいるんだ、言わなくても解るだろ!


 罠の発見と解除はウェンにまかせている、が前衛のオレに比べたら安全な所でチマチマと動いているだけだ。

 戦いが始まれば、魔物の討伐はオレが全部受け持っているようなものだろ!。


 調子の良いだけの器用貧乏、そんなヤツを仲間にしてやっているのに、最近随分なれなれしくなって・・

 『オレに命令するな』と言いたい所を、最近は常に押さえているんだ。


「どっちにせよ、秘物以外の宝はオレ達の物になる契約なんだ。

多少の危険を冒しても宝は集めて置くしか無いんだ。開けてくれ」


『開けろ!』と言わないだけマシだ、それくらい解れよ。


「・・・いいんだな?」再度の確認にムノフがうなずく、それが勇者が手を付けなかった[人食い箱]だとも知らずに。


「やっぱりだ!コイツ、クソ宝箱型の魔物だ!」


 ウェンが間一髪、飛び退き。大きく口を開けた宝箱がその場所を噛み砕く。


 宝箱のモンスターが動いた事で第2の罠が発動した。

 部屋の入り口が堅く閉ざされ、侵入者を逃がさないように鍵がかけられて、部屋から逃げる事も出来ない。


「どうすんだよリーダー!扉の罠を外そうにもアイツがいたら集中出来ないよ!」


「お前が中身が有るって言ったからだろ!なんとかしろ!」


 魔物を倒すしか無い、それは解っている。

 だがこっちは回復の手段も残り少ないんだ。クソッ、なんでこう全部が全部上手く行かないんだ!


 リーダーのムノフは体当たりで箱を壁にぶち当て、兜割りの一撃で上蓋を斬る。


(クソッ堅いな!)


ガキンッ!鋼の剣が鉄の金具に中り火花が飛んだ!


「リーダー!」ウェンが叫び、オレは素早く背後に跳ぶ。

 その瞬間に毛玉が魔物に命中し、弾けるように糸が絡み付く。


([蜘蛛の糸]か、これで少しは!)


 絡まる糸は魔物の口を閉じ、跳ね回るだけの堅い箱になり下がった。


 今だ!「ウォォォォ!」

 クエルの渾身!鋼鉄のメイスが上箱に亀裂を走らせ、地面に叩き付けた。


「とどめだ!」オレは必殺の一撃を放つ為に力を溜める。

「駄目だ!リーダー止るな!」


 ウェンの声が響く。オレの目の前には、魔物の口が大きく開いていた。


(なんで?死にかけじゃなかったのか?)

 ゆっくりとした景色の中、そいつはオレを飲み込もうと口を閉じていた。


 直後!激痛が腕から肩に走った!

 反射的に仰け反ったお陰で、盾を持つ腕だけがヤツの口に挟まって止っているのが見える。


「クソッタレェェェ!!」

 炎を纏う必殺の剣、[火炎斬り]がヤツの砕けかけた上蓋を完全に打ち抜き、焦げるように外枠を斬って焼く。


 ビシッ・ピシッ・・ゴトン・・


 完全に動かなくなった[人食い箱]を何度も蹴り飛ばし、壊れた箱を何度も蹴りあげた。


「ハァハァハァ・・なんだよコレ!なんなんだよコレは!」

 壊れた箱からは[賢さの種]・・・馬鹿にしてんのか!


「動かないで下さい!」クエルが[回復]の魔法を使い、光りが包む。

 と同時に腕が焼けるように熱い、なんだ?何がどうなった?


「リーダー!見るな!目を閉じろ!」

 ウェンの声とオレがソレを見たのは、ほぼ同時だった。


 変な形にひしゃげた腕と、おかしな方向に曲っている関節・・なんなんだコレは・・・・


はぁはぁはぁ「今の私では、これが限界です」

 二度目の[回復]でギリギリ繋がって形を保っている左腕は、包帯でガチガチに固められていた。

 まるで腕に繋がった熱い鉄の塊が、ジンジンと痛みを伝えてくる、そんな感覚。


「痛みがある間は繋がっている証拠、我慢しなよ。

 本来なら切断されていてもおかしく無い傷だったんだから」


(こいつ、他人ごとだと思って!)同じ状況になったら、その場に置いていくからな!


「クエルは早く魔法力の回復を、ウェンは扉を開けてから警戒だ。

アイツの動きも気になるから見張ってろ!」


「まってよ!まだ先に進む気かよ!」唯一無傷なヤツが、また反対してきた。


「当たり前だ!

 ここまででどれだけ薬草とか痺れ取りとかを使ったと思っているんだ!

 それにお前の使った道具も合わせたら、赤字も赤字・大赤字だろが!」


 騎兵から逃げる時に使ったクラッカー・蜘蛛糸・痺れ粉・煙幕、それら全部がお前の持ち出しにする気ならいいんだぞ!


「・・いや・・でも、無理だろ。

 主力のリーダーは重傷だし[回復]も魔法力の回復待ち。

 それも戦えるくらいまで回復させるとなったら、どれだけかかるのか」


「ならアイツの足止めだ、出来るだけ邪魔して来い。

 半殺しまでなら冒険者の洗礼としても良くある事だ」そうだよな?


「あんた・・マジか?オレは狩人だぞ?

 魔物使いと戦わせてオレが怪我したら、帰る時には全滅も有り得るんだぞ?」


 お前なんかいなくても、来た道を帰るだけならガキでも出来る。命令してやろうか、黙って行けよ!


「冷静になれよリーダー、オレ達の実力ならここまでなんだ。

 これだけ罠の場所や仕掛けを依頼人のお嬢さんに報告するだけでも、多少報酬は上乗せしてくれるハズさ」


 腕が完全ならコイツを殴っていた。

 オレ達は・・オレはこんな所でつまずく訳にはいかないんだ!

 オレはお前らと違って、上に行く人間なんだよ!


 オレの体温が上がる、無事な腕に力がこもる。後一言でも馬鹿な事を言って見ろ。


「・・リーダー・・冷静に・・ウェン、私達はそれぞれ目的があるのです。

 貴方が金銭であるように、リーダーにも夢がある」


「だからってよ、俺たちはこの状態だぜ?どうなるって言うんだよ?」


チッ「だから、それをどうしようかって話をしているんだ」

一番はアイツの邪魔をして時間稼ぎだろが!


「・・リーダー、ウェン。

 私に案があります、私は今から[瞑想]を使って魔力の回復に努めます。

 完全に無防備になるので、二人は私を守って下さい・・出来ますか?」


「無理だね。リーダーは片腕、オレは斥候と罠解除。

 どうしたって魔物と戦える状態じゃないよ」

 これ以上戦力を減らしてどうするんだよ。


 本当に役立たずは、言い訳ばかり言いやがる。

 そこをなんとかするのが工夫だろ!お前の得意な小細工だろが!


「じゃあこっちからの提案だけどさ、アイツ、ジョンな。

 アイツの[回復]でリーダーの腕を回復させる、それで治療が出来たらリーダーとオレで、二人を守って、クエルとジョンを休ませて魔力を回復するってのはどうだい?」


「お前!なんども言っているだろ!アイツは信用出来ないって、

 そんなヤツに頭を下げて治療してもらうっていうのか?」

 馬鹿も休み休み言えよ!



「・・・と言うか、ジョン達もう来たみたいだぜ?

 どうするよ、妨害しろってならリーダー命令に従うけどよ。

 おれが妨害しても、大差無い距離まで来ているみたいなんだけど」


 足音を・・ぴょんぴょん・ペタ、ぴょんぴょん・ペタ、というスライムの跳ねる独特の足音を聞き分けたウェンが肩をすくめる。


「・・勝手にしろ!」もうこれ以上オレを苛立たせるな。


 リーダーの言葉でヤレヤレ顔のウェンが立上がる、


「さて、どうしようかな」と呟いて。

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