似た者夫婦
「なあ、ノア?」
「何よ? ゼオン!」
「不思議でならないんだが」
「うんうん! 何か謎でも?」
「何でここにいるんだ?」
「え?」
「確か、王立図書館に行くと言っていなかったか?」
「そうよ! で、今からランチ! ゼオンもここで食べるの?」
「ああ。この店にリベンジに来た!」
「私もよ! 以心伝心、似た者夫婦ね!」
「ノア? 俺の魔力を感知しただけじゃないか?」
「…………。いい天気ね! 並んでも苦にならないわ!」
「何だ、今の間は? まぁいいが……。
「激辛女王と呼ばれたこな私も、あと
「あれ! ゼオンさんにノアさんじゃないですか!」
「お、ロイド! お前もここで昼飯か?」
「珍しいわね!」
「
「そうか。時にロイド? 激辛料理は苦手じゃなかったのか?」
「私の特訓の成果かしら!」
「はい、ノア姐さん! 魔術と基礎体力の特訓! 合間の食事は、
「笑顔で危ない台詞を言うな……」
「これもゼオンのためよ! いずれ貴方の前に立ちはだかる強敵は、私が鍛え上げた
「それは、壮大な計画だな……」
「そうよ! 死にゆくロイド……。またまた、私の出番ね! 煌めく可憐な魔法少女! 蘇れロイド! ゼオンと私に忠誠を誓うのよ! ゼオン騎士団隊長の誕生の瞬間! 迫りくる魔の手から、ゼオンと私を守る盾となるの! ね! もう激熱でしょ!」
「二人の方が強いですけど……」
「確かに……」
「そう言われるとそうね……。むしろ足手まとい」
「…………。そんなことより、案内されてますよ!」
「よし! 行くか!」
「そうね!」
「推して参る!!」
「入ったな、ロイドゾーン……」
「入っわね……」
「行きますぞ、ゼオン氏、ノア師匠!!」
◇◇◇◇◇◇◇
「『紅の挑戦状』を一つ!」
「私も!」
「僕はアイスミルクをつけてください!」
「また、何か企んでいるのか?」
「何かしら?」
「お楽しみは後程……」
◇◇◇◇◇◇◇
「見た目は普通のピッツァなんだがな」
「そうなのよね……。付け合せのソーセージとチキンも普通に美味しそうなんだけど。私の愛用する
「油断は……禁物です!」
「よし……。いただきますっ!!」
「いただきまぁす!」
「頂きます! 食闘技
「辛いっ! 辛いっっ! でも、旨いっ!」
「辛いだけでなくて、美味しいわね! それよりロイド? 何でミルクなのよ?」
「ふふふ! 良くぞ聞いてくれましたノア師匠! ミルクによって、胃の粘膜を守るんです! 激辛の闘いは食事の後にも体内で続くんです!」
「グヌハッッッッッッッ!!」
「ゼオン? 食べきりなさいよ!! 残したら負けよ!」
「し……痺れるぅぅぅっっ! さ、
◇◇◇◇◇◇◇
「ハァハァ……何とか……食べ切れたな」
「暑い……わね」
「飛びましたね!!」
「会計するか。ん? あれ? 金がない……。しまった!! 忘れてきたぞ! ノア! ちょっと貸してくれ!」
「仕方ないわね、ゼオン。貸して……あれ? 財布がないわ……」
「……似た者夫婦ですね」
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