私の電球
私の電球
作者 神奈川県人
https://kakuyomu.jp/works/16816452219212814379
小説投稿サイトで執筆する女子高校一年生が小説を書く人にだけ頭に電球があるとネットで知り、人気のある作家から電球を手に入れるために撲殺をくり返して付け替えるも光らなかったが、一連の体験を小説にしようと思いついたとき灯った話。
三点リーダーや感嘆符を全角云々は目をつむる。
ちょっとしたホラーである。
漫画で読んでみたい。
目的のために殺人を犯しては、転んでもただでは起きないところに作家魂が宿るのかもしれない。
三人称で、小説家を夢見て小説投稿サイト「カクヨム」にて執筆登校する平均ぴったりのフツウな女子高校一年生視点で書かれた文体。撲殺シーンの描写はとくにないため、猟奇的な行為をしている割にあっさり読める。
話に落ちがある。
小説家を夢見るフツウの女子高校生がカクヨムに作品を登校するも人気が出なかった。
ネット検索すると、小説を書く人にだけ頭に電球があると知り、自身の頭から電球を取り外して存在を確認。オフ会に参加しては、人気の作家さんを襲っては電球を手にして付替えるも、まったく灯らなかった。
十四個も電球を手にしても灯らなかったが、一連の体験を小説にしようと思いついたとき、はじめて彼女の頭の電球が灯るのだった。
アイデアが浮かんだとき頭の上で電球がピカッと光る表現が、マンガでは用いられる。アニメでもたまに見られる。
本作ではその考えを元に、「小説を書く人だけに電球が頭にあって、それが光っているところに読者が集まる」と、なっている。
チョウチンアンコウの灯りのごとく、電球が灯る作者のサイトには人気が集まるのだろう。
また、「自分の電球の外し方、他人の電球の外し方が書いてあった」とネット検索から見つけている。
主人公の彼女は、自身の頭から電球を外している。
ただ、電球のはず仕方として、「外し方は簡単、頭に強い衝撃を与えればポロッと落ちて外すことができる」とあり、人気作家を撲殺して手に入れているところから、自身の電球を外す際も金属ハンマーで頭を殴ったのかしらん。
自身の電球を手にしたとき、頭から血を流しながらてにいれたのだろう。
彼女の電球は「なんにも汚れていないフィラメントに傷もない普通の、手のひらサイズの電球」「普通に白熱球じゃん」とある。
LED電球ではないのだ。
そもそも、ネット記事には流言飛語は多いのだけれども、嘘だったら死んでいたかもしれない。(本作はもちろん作者の創作なので、くれぐれも自身の頭を金属ハンマーでかち割って、自分の頭にはどんな電球がついているのだろうかと確かめないように願います)
プピッパーというSNSは、ツイッターみたいなものかもしれない。ネーミングが面白い。
電球を手に入れることを目的に行動していたため、イレギュラーで相手に気づかれたときようやく、人殺しをしていたことに気づいている。
撲殺シーンの「ズガン……ドサッ、ズガン……ズガン……ズガン……。カラン……」の音だけで表現しているところが斬新で面白い。
藤子不二雄マンガ調で、シルエットにして効果音が描かれているコマが浮かんでくる。
十四個も電球を手にした。つまり十四人も殺害していたら、連続殺人としてニュースに話題になっているだろう。
落ち込んだと思ったら「ハッと、彼女の顔は晴れやかに」かわり、「そうだ! この殺しちゃった話を投稿すれば人気になれるかもっ!」とアイデアが浮かんだとき、電球が光っている。
投稿したら人気が出るという意味だろう。
ただ、まだ書いてもいないうちから光るのはなぜなのだろう。
電球の明かりは、書いて公開した作品より書こうとしている作品の可能性を表しているのかもしれない。
終わりが落語みたい。
本作は、噺家が寄席で語り聞かせるのにも向いているかもしれない。
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