「カクヨム甲子園2022」の作品を読んで:ロングストーリー部門

snowdrop

傾向と対策

■文字数を守ろう。


 ショートストーリー部門の応募規定文字数は、『六〇〇〇文字以上、二〇〇〇〇文字以下の作品』とあります。

 少なくとも、文字数は守りましょう。

 二〇〇〇〇文字は、四百字詰め原稿用紙枚数換算だと五十枚です。

 一般の短編は百枚くらい。

 なので、ロングストーリー部門とありますけれど、短編の範囲です。

 とはいえ、読み応えある作品が書ける文量です。

 だいたい原稿用紙一枚で一分、五十枚なので五十分くらいのアニメやドラマをイメージされると、書きやすくなると思います。







■誤字脱字や文章の書き方には寛大である。


 三点リーダーとかダッシュの引き方、「 」の使い方、文章頭のひとマス明けなどなど、いい加減でも書きたいもの、伝えたいもの、読んで深く味わえる作品ならば、多少のことは目をつぶってくれます。

 多くの人が、スマホで書いて投稿するからだと思われる。

 操作がPCの入力よりも面倒くさい気がする。

 カーソル開けるとか三点リーダーとか。

 でも、なるべくなら誤字脱字はないほうが良い。




■人を殺さない。


 べつにそういう作品があってもいいです。

 過去作品を読んで、応募の六割近くは、幼馴染、恋人、友人知人、自分自身など、誰かが死ぬ作品でした。十代特有の鬱屈した闇を吐き出した作品が目に付きます。

 立て続けて読んでいると、精神が病んで嫌になりますが、その作品に死が必要ならば書いてもいいと思います。

 でも、「感動させるにはキャラを殺せばいい」と安直に考えて死を扱ってる作品もありましたので、そういう考えで書くのは止めたほうが良いと思います。

 過去の受賞作を見ると、読後感の悪い作品は受賞してません。

 最後死んじゃったかも、みたいにほのめかす程度のものや、死を描けるジャンルの作品は受賞してました。

 なので、死を扱った作品は受賞しないわけではありません。

 ただ、上手く書かないといけませんし、少ないです。

 ちなみに、死を描けるジャンルはホラーです。ホラーのラストは、主人公が死ぬか生きるかのどちらかの結末を迎えますので。一昨年、大賞された作品はホラーだったと記憶してます。




■高校生にしか書けないものを書く。


 なにを書いてもいいと思います。

 思いますけど、高校生しか応募できないんです。

 ということは、今を生きている高校生の、生の声、生の体験、いましかもっていない感受性でしか書けないものを書くと良い気がします。

 なので、たとえば主人公を小学生や中学生にしないほうが良い。受賞作に、小学生が主人公だったものはなかった気がします。ですから、主人公にするなら高校生かそれ以上がいいと思う。

 二〇二〇年の時は、コロナ禍でどう過ごしていたのか、という作品が一作選ばれていました。二〇二一年にも、一作選ばれていました。

 二〇二二年だと、コロナよりもウクライナ侵略に端を発する物価高などかしらん。

 痛ましい事件のことかもしれない。

 それらとは全く関係ない日常でもいい。

 時事にこだわらず、独自の視点で描くのが一番ですかね。



■異世界転生ものは選ばれていない。


 これまでは、というだけです。

 応募された作品内にはたまに見かけるので、作品はあるのですけど、異世界転生ものが受賞されている覚えがないです。ファンタジーは受賞されてます。

 理由はわかりませんが、規定字数内で描くのが難しいのかもしれない。

 いままでがそうだから、といって、今後選ばれる可能性はある。

 たとえば、「第二回角川武蔵野文学賞 ラノベ部門・大賞『宮廷画家と征服王』」のような作品なら、選ばれてもいいと思います。こちらの作品を書かれたのは高校生の方ではないですが。



■ホラーやSFが選ばれている。


 必ずと断言できるほどではないですが、この二年はこのジャンルが選考されています。ホラーやSFを書く人が少ないため、カクヨムとしては作品数の少ないジャンルにもスポットを当てるよう作品を選んでいるのかしらん。

 ミステリーを書ける人は、ホラーも書けます。

 恐いミステリーがホラーだからです。

 ミステリーに近未来の科学的要素を盛り込めば、SFで出せます。

 ファンタジーを書ける人も、そこに近未来の要素を入れるとSFになる。

 カクヨムに掲載されている作品の割合は、ラブコメと現代ドラマ、ファンタジーが大部分を占めていると思われる。

 応募する時に、大勢の人が書いて応募するジャンルを選ぶよりも、選ぶ人が少ないジャンルの作品を書いて出すと、選ばれやすいこともあるかもしれない。


 ご参考程度に。

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