24日目 笑いヨガ
以前、笑う練習をしたことがあったが、『もちぬし』によると世の中には笑いヨガなるものがあるらしい。流石に俺は曲がる方向以上に表紙を曲げられたり、日記の表現をこれ以上柔らかくされたりされても困るのだけど。ああ、でも体幹みたいなのをまっすぐにするのはいいかもしれない。俺の体幹というのがどこにあるのか知らないが。
興味を持ったので早速『もちぬし』に連れて行ってもらって、『もちぬし』が笑いヨガをやってるのを見学させてもらった。
すごいな。あれ。
何にもおかしくないのに、体を動かしながら大声で笑う。
最初は気恥ずかしそうにしていた『もちぬし』が笑っている自分におかしくなってしまって、いつからか演技で笑っているのか本当に笑っているのかわからなくなってしまっていた。
『もちぬし』は普段大口を開けてあんなに大声で笑うことなんてしないから違和感はすごかったけど、本当はあんなふうに笑いたいのかもしれないなと思ってしまった。
「昔はもっとこんな風に笑っていた気がする」
『もちぬし』は感慨深げにそう言っていた。
「そんなに面白かったのか?」
俺がそう聞くと
「いいや、形だけ。でも、形だけでも爆笑することが、意外にも面白かった」
禅問答みたいだなと俺は思ったが、『もちぬし』はどうやらそれで納得しているようだった。
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