5
少女は、見透かすように見据えると手をおろした。
「見えるキミに……1つだけ聞きたいことがある……」
「……聞きたい事?」
少女は頷くとゆっくりと近づき、自身の右目を指した。
「ワインレッドの瞳の少女を探してる……」
少女の言葉に、
少女は、そんな
「何処に居る?」
「知らないっ……」
動揺が止まらない。ワインレッドの瞳の知り合いは一人しか存在しない。
――まさか緋葉……?!
信じられなかった。信じたくなかった。
――落ち着け俺……緋葉とは限らないんだ……
深呼吸をすると、動揺していた気持ちは次第に冷静へと変わっていく。少女に向き直ると、その瞳には何か力強いものに変わっていた。
「確かに一人知ってる」
嘘は通用しない。しかし、この少女と関わらせてはいけない。本能がそう訴えている。
「だがこんなことに関わる人じゃない。人違いだ」
「……でも……一応会わせ、」
「だから、代わりに俺が探す」
少女は黙って見つめていたが、何かを汲み取ったのか少し後に下がると頷いた。
「分かった……そこまで言うなら会わない。代わりにキミが探す……」
「あぁ」
スカートが少女の動きに合わせてふわりと舞い上がる。
「何か分かったらビフレストに言って……」
「ビフレスト?」
「キミに預ける……」
「預けるって……子猫だぞ?大丈夫なのか?」
「ビフレストは一番強いから……心配要らない……」
「…………」
少女には悪いが、
「それじゃ……」
少女は何処かへ行こうとしたが、
「ひとつ聞きたいんだが……何故その銃を俺に向けなかったんだ?」
少女の瞳が細くなる。
「……なんのこと?」
「その太股の銃だよ」
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