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 後ろを見てみると、そこには緋葉あかばが足を上げて見下ろしていた。


「あんた達……何リアン苛めてんのよ」


緋葉あかば?!」


 後には、向日葵ひまわりがあかんべをしながら見ている。


「酷いよしずくちゃぁん」


 冬樹ふゆきは、頭を振りながら起き上がった。

 だが、緋葉あかばは更に足を落とし制裁を食らわす。


緋葉あかばストップ!冬樹ふゆきは俺を助けようとしただけだ!」


 ときは、間に入り阻止する。

 その言葉に、緋葉あかばは足を下ろすと目を座らせた。


「リアンから泣きながら電話があったの。鍵を力付くで取られたって」


「電話って、お前らいつの間に交換してたんだよ……」


 ときは、向日葵ひまわりの抜け目ない行動に舌を巻いた。

 もともと行動力はスバ抜けて高い方だったが、二人が会ったのは昼食時だけだ。自分が見ていない一瞬の隙に電話番号を交換していた事になる。


「で、おまえ鍵を何処にやったの?白状なさい」


 緋葉あかばは、冬樹ふゆきの襟を掴み上げると脅迫。

 冬樹ふゆきは、渋々緋葉あかばに鍵を返した。

 鍵を受け取ると向日葵ひまわりの元へ向かい、頭を優しく撫でる。


「リアン返してもらったからもう泣かないの。分かった?」


「うん!しぃちゃんありがとう!」


 向日葵ひまわりは、可愛らしくはにかむと鍵を大事そうに受け取る。

 緋葉あかばときを見るときょとんと見つめた。


「ところで貴方、その姿は何?」


「…………」


 怒りたくなったが、緋葉あかばは事情を知らないため、先程あった出来事を分かりやすいように順々に説明していった。

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