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「もう!そんなこと言うと今度からお弁当作ってあげないよ!」


 向日葵ひまわりは、ふてくされると二人の弁当箱を没収する。


「わー!スミマセン!向日葵ひまわり様の弁当最高です!!」


 冬樹ふゆきは慌てて土下座する。


「俺、まだ何も言ってないぞ!」


 ときは、弁当箱を掴もうとするが、恐ろしい反射神経でサラリと避けられてしまう。


「まだって何?」


「嘘です、ごめんなさい」


 ときも土下座する。

 向日葵ひまわりは、納得したのか二人に弁当箱を返した。

 二人がホッとしたと同時に、聞きなれた声が背後から聞こえてきた。


「あら、美味しそうね」


 三人が声のした方を見ると、緋葉あかばがしゃがみながら弁当箱を見つめていた。

 そんな緋葉あかばに、冬樹ふゆきが話しかけた。


「あれ?しずくちゃんもお昼?」


 何故か、冬樹ふゆき緋葉あかばの下の名前をちゃん付けで呼ぶ。

 そんな冬樹ふゆきに、緋葉あかばは眉間に皺を寄せる。


「気持ち悪いわね、緋葉さんと呼びなさい」


「緋葉、図書館で勉強か?」


 落ち込む冬樹ふゆきをスルーして、ときが声をかける。

 緋葉あかばの手には分厚い辞書のような本が握られており、この近くには学校の図書館があるので勉強なのではないかと思った。


「残念だけど違うわ。これはおとぎ話の本なの」


「似合わな……」


「ごめんなさい、もう一度言ってもらえるかしら?」


「空耳です」


 緋葉あかばから漏れ出る殺意を瞬時に察知して、髪を触りながら直ぐさま誤魔化す。危うく本の角が顔面にクリティカルヒットするところだった。

 そんな中、向日葵ひまわり緋葉あかばを不審な視線でジロジロと見た。


https://kakuyomu.jp/users/CielA4/news/16817330654659252449

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