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 確か、彼女もここの生徒だった。車に飛び込むも間一髪で助かったが、彼女は「死にたかった」と言っていた。よく覚えている。


「まさか……!?」


 ときは、慌てて教室を飛び出した。


「え?!とき、どうしたの?!」


 向日葵ひまわりが、慌ててときの腕を掴もうとするが素早く避けられ走って行く。


とき、どうしたんだよ?!」


「分かんない!ふゆちゃん追いかけよう!」


 向日葵ひまわりは、入ってきた生徒を避けるとときを追いかけた。

 冬樹ふゆきも、後を追うように慌てて教室を出て追いかけて行く。


「って、向日葵ひまわり、早っ!」


 向日葵ひまわりは、男の冬樹ふゆき以上の早さで走っていき角を曲がる。

 冬樹ふゆきは、見失わないよう全速力で追いかけて、向日葵ひまわりの曲がった方に向かった。


とき、待ってよ!」


 向日葵ひまわりは、数メートル離れたときに叫ぶが、聞こえていないのか階段を飛び降り曲がっていってしまう。

負けじと飛び降りて同じ方向に曲がったが、ときの姿がなく見失ってしまった。辺りを見回すが、ときの姿どころか人の気配さえない。


「あれ?とき?えっとえーと……」


 向日葵ひまわりが、その場で足踏みをして辺りを伺っていると、遅れて冬樹ふゆきが到着した。


向日葵ひまわり!」


ふゆちゃん、どうしよう……とき、見失っちゃった……」


 T字型で、右は行き止まりなので左なのは確かだが、そこから少し先が分岐点になっており見失ってしまったのだ。

冬樹ふゆきは、方角から場所を推察してどうするべきか考え込む。暫くして纏まったのか、向日葵ひまわりの方に向き直った。


「とりあえず、俺は寮の方見てみるから、向日葵ひまわりは、一応職員室に行ってみてくれる?」


「分かった。とき、見つけたら気絶させといてね!」


 向日葵ひまわりは、物騒なことを言うと職員室に走って行った。

 冬樹ふゆきは苦笑いするも、すぐに真面目な顔になり、寮に向かうべく向日葵ひまわりとは逆の道を走っていった。

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