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「悪い、名前は聞いてないんだ」
「ふぇ?」
「あのときは焦ってたし……すぐ別れたからさ」
「ねぇ……何で嘘つくの……
「?!」
教室の明るいざわめきだけが耳に入ってくる。まるで、自分の周りだけ時が止まってしまったかのような感覚に襲われ背中に冷汗が溢れてきた。
「クスッ、
「でもすぐ別れたのは本当なんだね。じゃあ、またその自殺志願者さんに会えたら
「ねー、あれ誰だろう?」
「……誰だ?」
「さぁ?
「何で、俺の知り合いになるんだよ」
「そうだよ!
「……はぁ……」
頭を抱えたくなった。
そんな時、着ぐるみが此方に手を振り頭をペコンと下げる。
「え?あれ誰?」
「何で手、振ってんだろうね?」
「あ!先生が向かった」
ギーン!ギーン!ギーン!ギーン!
チャイムの音が教室の中に響くと、担任の先生が入ってくる。皆は、慌ててパラパラと自分の座席に戻って行く。
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