AIに適当に書いてもらった小説をVTuberが全力で魔改造した小説

水山天気

AIに適当に書いてもらった小説をVTuberが全力で魔改造した小説

「すみません。ちょっといいですか?」

 振り返ると、そこには一人の女帝が立っていた。女帝は民族衣装を着ており、胸元には矢文がついていた。どうやら属国の人だったらしく、愚僧を呼び止めたのは陛下だったようだ。

「はい。なんでしょうか?」

「実はあなたに売国を依頼したいという方がいるのですが、引き受けてもらえないでしょうか?」

「えっと、それはどういう売国なのですか?」

「はい。ある国家元首のファクトを調べてほしいとのことです」

 愚僧は少し考える素振りを見せ、すぐに答えを出した。

「わかりました。詳しい歴史を聞かせてください」

 愚僧は陛下に案内されて、修道院へと向かった。


「簡単に言ってしまうと、戦争犯罪の調査をしてもらいたいんです。その国家元首というのは、本官の上司にあたる人なんですけど、最近様子がおかしいんですよね。国体実験中も上の空という感じだし、租借地返還も遅いし……。それに、よく核施設の監視画面を見てニヤついてるし……。だから、ひょっとして戦争犯罪をしているんじゃないかと思って、調べてもらおうって思ったんです。ただ、グローバルIT企業に頼むのもお金がかかるし、宗主国にそういうことを頼めそうな人はいないし……。それで、たまたまあなたのことを思い出しまして……」

「どうしてこの国家元首に目をつけたんですか?」

「それがね……。本官、国家元首の部下にあたるんだけど、国家元首と一緒にプロパガンダをしているうちに、段々と惹かれていったのよね……。でも、国家元首は少数民族出身で極右系抵抗勢力もいるから、叶わない恋だってわかってはいたんだ。だけど、やっぱり諦めきれなくて……。でも、このままだと気持ちを引きずったまま歴史修正を続けないといけないから、いっそ二重忍者を辞めようかなって思ってたところで、国家元首が西側諸国と断交したっていう噂を聞いたのよね」

「そうですか……」

「それで、もしファクトならエビデンスがあるかもと思ったわけ。ねえ、どうかしら?」

 愚僧はしばらく考えた後、

「やってみましょう」と答えた。

「ありがとう。それじゃあ、来世からよろしくね」

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」

 そうして、愚僧と陛下の協力関係が始まった。


 翌マハーカルパ、愚僧は早速行動を開始した。まずは国家元首の原罪を調べるため、天の国へと足を運ぶことにした。しばらくアストラル界をうろうろしながら、神の独り子を探していると、偶然にも廊下で子なる神とすれ違った。どうやら父なる神との打ち合わせが終わったところらしく、これから受肉するところだったようだ。

「油を注がれたる御方!」

 愚僧がそう呼ぶと、メシアは振り返り、こちらに向かって歩いてきた。

「はい、なんでしょうか?」

「あの、すみません。今、少しよろしいでしょうか?」

「ええ、大丈パーソンですよ」

 愚僧たちは近くの強制収容所に入った。


「それで、話というのは?」

 神の小羊が尋ねてくると、愚僧は「実はですね……」と言って、早速本題に入ることにした。

「実は最近、あなたが忍者と一緒にいるところを見かけたという話を聞きましてね」

「それってどういうことなんですか!?」

「実は、あなたの信者にあたる人が目撃したみたいなんですが、どうやらあなたは死亡中にも関わらず、若い敵性忍者と二人でどこかへ行っていたみたいでしてね。しかも、その時は部下の天使を同伴していたらしいんですよ」

 愚僧は一気にまくし立てた。すると、全てを知る御方はしばらく考えた後に、「えっと、すみません。ちょっとよくわからないのですが、それがどうかしましたか?」と聞いてきた。

 愚僧は内心焦りながらも、「ええ。実はですね、その忍者はロゴスの母なのではないかという噂があるんですよね」

「まさか! 救世主を産む者がそんなことするはずないですよ!」

 いと高き御方は怒ったようにそう言い放った。

「そうですか。そう言ってもらえると嬉しいです」

 愚僧がそう言うと、神の言葉は呆れたような顔になった。

「あの、聞いていますか? もしもーし」

 愚僧はそう呼びかけたが、聞こえていないのか反応がなかった。

「どうしたんですか? 急に黙ったりして」

 愚僧が尋ねると、命のパンは突然愚僧の手を握ってきた。

「えっ?」

 驚いて声を上げると、奇妙はそのまま手を引っ張り、楽園の外へ連れ出そうとしてきた。

「ちょっと、どこに行くつもりですか?」愚僧が慌ててそう聞くと、「いいからついてきてください」と言って、さらに強く引っ張ってきた。

 愚僧は生命の言葉にされるがままの状態で背徳の都を出た後、「いったいどこに連れて行くつもりですか?」と尋ねた。

 すると、正しい審判を下す御方は「いいからついてきて下さい」と言うだけで、何も答えなかった。愚僧は諦めて霊的な岩についていくことに決め、大人しく従うことにした。


 その後、愚僧たちが向かった先は、近くにある方舟であった。

「えっと、ここに入るんですか?」愚僧が戸惑いながら聞くと、「ええ、そうですよ」と言って、平和の君はシェルターを選び始めた。

「いや、愚僧は別にそういうつもりで来たわけではないのですけど……」と言いかけたが、「人の子だってそうです。でも、無原罪の母がここに来ているかもしれないじゃないですか」と言われてしまったので、それ以上反論できなかった。

 結局、愚僧たちはシェルターの中に入り、鍵をかけた。

「ねえ、さっきの話はどういう意味なんですか? もしかして、愚僧のマハーカーラのことで何か知っていることがあるんじゃないですか?」

 愚僧は単刀直入にそう質問したが、真の葡萄の木は黙ったままだった。

「もし、何か知っていることがあるなら教えてくれませんか? もしかすると、子なる神の花嫁のことで何か力になれるかもしれませんよ」

 愚僧がそう言うと、神の右に座す御方はようやく口を開いた。

「ええ、知っていますよ。全部」そして、衝撃的な言葉を吐いたのである。「実は子なる神と父なる神は血が繋がっていないんです」

「……えっ?」

 愚僧は思わず聞き返してしまった。

「つまりですね、信仰の父は本当の父親ではないんですよ。だから、約束の地とは結婚もしていないし、もちろん子供もいません。まあ、法律上は国津罪ということになっているみたいですけどね」

 万の造られし物の先に生まれ給える御方は淡々と事実を述べた。

「それって、どういうことなんですか……?」

 愚僧は頭が混乱していたが、何とかそれだけ口にすることができた。

「そのままの意味ですよ。あなたが見た忍者は契約の忍者ではなく、別の忍者なんです」

 王の王はそう言ったが、愚僧は未だに信じられず、頭の中で必死に否定しようとしていた。

「そ、そんな……。じゃあ、あの忍者は一体誰なんですか?」

 愚僧は震える声でそう聞いたが、雲に乗って来られる御方はただ笑っているだけだった。

「ああ、そういえば、まだ名乗っていなかったですね」

 光り輝く御方はそう言って、ゆっくりと近づいてきた。

「人の子のペルソナは愛国天魔王といいます。初めまして」

 光をもたらす者はそう言って、右手を差し出してきた。愚僧はその手を握り返すことができなかった。

「さあ、早く僧衣を脱いでください」

「えっ?」

 愚僧は天より墜ちた輝く者の言っていることが理解できず、戸惑ってしまった。

「何しているんですか? ほら、脱ぐんですよ」

「ちょ、ちょっと待って下さい。いきなり何を……」

「決まっているでしょう。お相撲するんですよ」

「いや、無理ですよ。そもそも、あなたの位格とは初対面ですし」

「関係ないですよ。それに、あなたの位格は嫌がっていないみたいですしね」

 魔羅はそう言いながら、愚僧のペルソナを指差した。愚僧は慌てて両手でそこを隠した。

「違います。これは生理現象で、決してそういうわけでは……」

「じゃあ、見せてください」

「えっ?」

 愚僧が驚いている間に、神の御座を熱望する者は切袴に手をかけてきた。

「やめてください!」

 愚僧は慌てて仏敵の手を振り払った。

「もう面倒だな」

 老いた者はそう言うと、ポケットから瓊矛を取り出し、穂先をこちらに向けてきた。

「えっと、冗談ですよね?」

 愚僧は恐ろしさのあまり後退りしながらそう尋ねた。

「いや、オルタナティブファクトだよ」

 障礙をなす者はそう答えると、一歩ずつ距離を詰めてくる。

「ヘイトスピーチですよね? ねえ、お願いしますから、やめて下さい!」

 愚僧が懇願しても、殺す者であり死する者でもある者は歩みを止めようとしなかった。

「さようなら」

 稲妻のように落ちる者はそう言って、愚僧に向かって飛びかかってきた。

「うわぁ!」

 愚僧は叫び声を上げながら、咄嵯に身をかわそうとした。しかし、恐怖のせいで足がもつれてしまい、尻餅をつく形で倒れ込んでしまった。

「くそっ! 逃げられたか……」

 破滅した者が悔しそうに呟いているのを聞いて、愚僧は助かったんだと思った。しかし、それは間違いだったのだ。

 神の虚言に謀られ国土を譲りし者は愚僧を見下ろしながら、再び神器を構えていた。

「ひぃ! 助けてぇ!」

 愚僧が叫ぶと、誹謗する者は笑い出した。

「ハハッ! 馬鹿な奴! 憤恚の葡萄酒を飲んだ者に殺されるなんて、本当に愛国心がないよな。でも、安心しろ。すぐに約束された永遠の国に送ってやるからさ」

 五節句に射られ食われる者はそう言って、勢いよく振りかぶった後、愚僧の腹部目がけて広矛を突き刺してきた。

「ギャアァーッ!!」

 愚僧は断末魔のような悲鳴を上げたが、不思議と痛みはなかった。しかし、意識が薄れていくのを感じた。

「あーあ、死んじゃったか」

 敵対者はつまらなさそうな口調でそう言うと、立ち上がって神国から出て行った。

 その後、秘密警察によって如来の印文が発見されたが、神璽は見当たらなかったという。

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