第6話 部活動

「た〜か〜み〜や〜?」

「すいません!!!」


 せめて理由を聞かれて終わりと高をくくっていたのだが、遅れすぎてついた時には目の前の先輩が楽器倉庫で待っていた。


 その先輩の名前はつる

 俺と同じ中学校出身で昔から頼りになる先輩だった。


 担当している楽器は違うのだが今は部長であり、全体をまとめている。


 三年生は受験などもあるため、コンクールが終わるとすぐに部長は交代になる。

 鶴見先輩は三年生からの圧倒的支持を受けていたため、満場一致で部長になったのだ。


「はぁ……にしても高宮くんが遅れるなんて珍しいから驚いたわ」

「ちょっと先生に呼び出されてたんですよ……」

「とても信じられないけど、今回はいいでしょう。さぁ、早く楽器の準備をしなさい」


 俺は学級委員でも何か委員会に入ってるわけでもないのであからさまな嘘は見抜かれたが、鶴見先輩は許してくれた。


────キーンコーンカーンコーン。


 部活動終了のチャイムが鳴った。

 このチャイムで全部活が練習を終了して、片付けが終わり次第帰るのだ。


(さてと……今日は帰ったら勉強するか……)


 そろそろ中間テストも近くなってきている。


 前回赤点を取ってしまったので、ちゃんと前から勉強を始めようと意気込んでいた。


「今回は赤点取らないようにしないとな……」


 そんな事を呟きながら楽器を片付けた俺は、鞄を持って家路に着くのであった。 

 

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