第16話 熾烈なる憎悪

襁褓むつの交換は手早く願いたいものである。


大人たちが想像する以上に臀部が寒いのだ。


その日、寒くて凍え死ぬのではないかという感覚に耐え忍んでいると、楽しそうな声が聞こえてきた。


声のする方向を見るとキャッキャと楽しそうにはしゃぐ複数の大人達がいた。


「助けてくれ、死んでしまいそうだ」


必死に思念を送るものの、当然ながら通じる事はなかった。


初めて唸り声をあげたのだと思う。


大人達はさらに喜んでいた。


少ない発想力ながら心の内で暴虐の限りを尽くさんとした事はよく覚えている。


後年、その際に撮影された写真を発見し、母と祖母であった事を確認の上で陳情申し上げた。

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